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デセプション・ポイントを読んで②

大統領は、この世紀の発見を発表。NASAの莫大な費用と上がらない成果を批判していた対立候補に対して一夜にして逆転します。しかし北極の探索隊が何者かに襲われ、レイチェルを含む数人は命からがら脱出します。すると、隕石と思っていた者は地球の岩であって、偽物だった事が分かりました。これを発表すれば、大統領は又、完全に失脚してしまいます。それを阻止しようとデルタフォースの人間がレイチェルらを襲います。

最後の望みをかけて自分の父である対立候補に偽装の証拠資料を送ります。とうとう、追っ手に阻まれてしまうレイチェルですが、何と、その正体はNROの自分の直属の上司でした。彼はNASAが民間の手に渡ってはならない。国が管理しなければ大変な事になる。その為に今回の偽装をさせた黒幕は自分だと言います。大統領もNASAも知らなかったのだと。

対立候補は早速、NASAの隠蔽を大々的に発表しようとします。しかし娘が捕らわれていて、相手は発表しない事を要求しているのですから、女性秘書は反対します。しかし無情にも「娘が死ねば同情票が入る」と言い、意に関せずと言った態度を取りました。

間一髪のところで上司の魔の手から逃れたレイチェルは父に発表をしないようにと言うのですが、父は記者団を集めて発表してしまいます。しかし隕石の偽装の書類を記者達に渡したと思ったら、それは女性問題の証拠写真でした。対立候補を見限った女性秘書が中身をすり替えていたのです。

NASAホワイトハウス、NROという実在の団体を舞台にした政治サスペンスといった感じでした。選挙戦の裏側をかいま見ている様な雰囲気がします。

ご存じの通り、NASAは宇宙開発のアメリカ最高機関です。宇宙開発とは軍事に関係します。しかし、これが民間の手に渡ってしまえば、彼らは国の事など考えず例えば対立している国にも技術を売ってしまうことが考えられます。それをレイチェルの上司はNASAに私怨を持ちながらも、NASAを潰してはならないとして、今回の偽装をしたという動機が印象的でした。

余談ですが、アメリカ人のかなりの人が、UFOを信じているという統計があるそうです。作中ではUFOもNASAの試作品飛行機であるが、それを発表すれば技術が分かってしまうのでUFOという事にしている。いや積極的に、そういう噂を流しているのだと書いてありました。

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