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書籍・雑誌

「夜回り先生」を読んで①

夜回り先生こと水谷修さんの著書「夜回り先生」を読みました。 何故、こんなに他人の為に奔走する事ができるのだろうか。というのが正直な感想です。先生は必ず夜回りをし、帰宅してからもメールや電話で全国の子供達からの相談を受け付けています。睡眠時間…

「甘えの構造」を読んで⑧

今日、権力が集中し非常に強大なものとなっているも拘わらず、権威は何処にも感じられなくなっているという事実をあげることができる。しかがって現代社会の特長は父がいないといえることができるかもしれない。 日本もある意味では、やはり父なき社会と呼べ…

「甘えの構造」を読んで⑦

「くやみ」と「くやしさ」が日本人が低迷しやすい感情であるという事について一言しておこう。実際、日本人に顕著な判官贔屓の真理と密接な関係がある。この真理については佐藤忠男氏が極めて洞察に飛んだ解釈をしておられるが、氏はそこで日本人が義経・楠…

「甘えの構造」を読んで⑥

中国人と日本人は国も地理的に近く、日本は中国の文化に強く影響を受けていると聞いていたので、私は同じ東洋人なので国民性も似ているのかなと思っていたのですが、その辺について面白い記述がありました。 フランシスコ・ザビエルも、その手紙の中で度々、…

「甘えの構造」を読んで⑤

日本人の詫びに対する感受性の高さを示す文章があります。とても感銘したので、少し長いのですが、抜粋したいと思います。 ラフカディオ・ハーンが「停車場で」日本人の罪に対する態度を実に見事に書き出していると考えられるからである。 強盗をして一旦捕…

「甘えの構造」を読んで④

「罪の文化」と「恥の文化」 日本の場合は後者の典型である。西洋人の罪悪感は、もっぱら個人の内部の問題であると考えがちなのに対して、日本人の罪悪感は自分の賊する集団を裏切る事になるのではないかという自覚がある。これは彼らは古来何世紀もの間、キ…

「甘えの構造」を読んで③

「甘え」という語が日本語に特有なものでありながら、本来、人間一般に共通な心理的現象を表しているという事実は、日本人にとって、この心理が非常に身近なものである事を示すと共に、日本の社会構造も又、この心理が許容するように出来上がっている事を示…

「甘えの構造」を読んで②

Please help yourself. これは著者の土居さんがアメリカに留学していた時に頻繁に耳にした言葉です。「ご自由にお取り下さい」という意味の言葉ですが、直訳すると「御自分を助けなさい」となります。土居さんは、この言葉が「不親切で突き放した」様に響き…

「甘えの構造」を読んで①

精神科医の土居健郎氏が書いた「「甘え」の構造 [増補普及版] 」を読みました。この本は昭和46年に発行され、当時ベストセラーに成りました。 土居氏はアメリカに留学した際に、カルチャーショックを受けます。アメリカ人から「あなたはお腹が空いていますか…

『風と共に去りぬ』を読んで③

つまり奴隷解放は戦局を有利に進めるための大義名分として使われたのであって、最初から奴隷解放を謳った戦争ではなかった感が強い訳です。 その証拠に南部は敗北すると「再建」と呼ばれる時代が訪れました。北部により奴隷解放宣言がされ、黒人奴隷は自由の…

『風と共に去りぬ』を読んで②

当時、南部と北部との経済・社会・政治的な相違が拡大していました。北部では米英戦争による英国工業製品の途絶で急速な工業化が進展していた為、奴隷制とは相容れられませんでした。それに対して南部では農業中心の大農園が盛んで特に綿花をヨーロッパに輸…

『風と共に去りぬ』を読んで①

『風と共にさりぬ』という小説をご存じの方は多いと思います。 主人公のスカーレット・オハラは何不自由ない大農園種の令嬢として産まれたものの南北戦争の勃発、南部の敗北により波瀾万丈の人生を送る事になります。この小説は恋愛小説の側面が強いですが、…