「告白」という小説について①
(湊かなえ著)」という本を読みました。① ②)の続きです。 タイトル⇒ 「告白(
上記の通り、感想を書きましたが、漠然としたひっかかりがありました。私は、プロの作家を目指しています。そうなると、読み方も変わります。面白い、面白くないという感情で読むのではなく、何故この小説を人々は認め、特に何処が良かったのかと思ったのか。話の筋はどのように通っているのかと分析しながら考えながら読みます。
ですから、下記は感想というより、分析・推論という風になります。
兄弟喧嘩をしない兄弟は少ないでしょう。大人になってからは兎も角、通常は年長者が下をこずいたり、ぶったりします。先輩、後輩も同じです。上司と部下も同じです。それは、序列であり、力であり、法則にも似たものです。
例えば、好きな歌とか曲があります。しかし何度聞いても、生き方は変わりません。
生き方は、書物だったり、現代なら映像を通してのこともありますが、突き詰めれば言葉です。珠玉の一言、名言、心に残る格言ともいうべきものです。
告白は、中学生が担任の女教師の一人娘を殺害します。犯人は二人。学年は強調されていません。中学の三年間は大人になってからの三年と違って、一年ごとに身体も精神も違うと思います。犯人の年齢は13歳。中一では、幼い。中2くらいが良いのでしょうが、しかし中二だと分別が、中一よりはあります。
殺人という行為がリアルなのに、学年を鮮明にしないのは私のような読者には不満でした。犯人は、二人組です。この二人は、勉強できるA とできないBです(便宜上)。Aの動機は、実母と別れていて、事件を起こせば、母親が心配して戻ってくるというものでした。
Bは、警察に補導された際、担任でない以前から因縁のある男の教師がきた事に腹を立てます。何故、担任ではないのかと、しかし、その学校には規約があって、女子生徒の時は女の先生が、男子の場合は男の先生がとなっていたので担任の女教師ではなかったというシステム上の問題なのですが、Bは知らないので、それに腹を立てます。
しかし、当然、警察としては、その少年を10倍もしる担任を要求すると思います。この場合は二人で行けば良かったのではないでしょうか?警察という公的機関からの呼び出しがあった際、担任が出向かないことなんてあるのかな?と思いました。
Aは、新聞が取り上げるような事件をおこせば大ニュースになって母親が心配して駆けつけると踏みます。話を反対にしましょう。少年は、素行が悪かった。それで母親は出ていった。母親に帰って貰うには、素行をよくし、その事を知らしめる必要があります。しかし、勉強の出来る子は、その逆をしました。しかし、母親が出ていったのは、その子の問題ではありませんでした。よって母親には出ていきたい事情があった。そこに息子が人殺しをしたら、戻ってくる事は更に嫌になります。
しかも、少年が事件を起こし、犯人であると言う事が報道されれば母は戻ると考えるのですが、そのとき少年は、のほほんと家にいられると考えるでしょうか。身柄は当然、警察、少年刑務所、少年鑑別所、そのくらいの事は中学生なら分かる道理なのですが、Aは歪んだ人格、という事で片付ける問題なのか。つまり、頭が悪かった。だからこういう事をした、ならまだしも、爆弾を造れるほどの少年の考え・動機としては、ちょっと疑問を感じます。