太宰治好きですか、そうでもないですか。
私は作家を目指しています。松本清張は森鴎外派で司馬遼太郎は夏目漱石派でした。どこから好みが分かれるのかは難しいところですが、松本清張を嫌ったのが三島由紀夫で、三島が割腹自殺したとき松本清張は「書くものがなくなって自殺した。だから若書きは勧めない」と言っていました。
その清張と太宰は同い年で、今生きていれば100歳です。しかし、どういう訳か太宰治の100周年は取り上げられても清張100周年とはあまりいいません。恐らく、清張作品は最近でも『黒革の手帳』『わるいやつら』『けものみち』『夜行の階段』と結構ドラマ化しているので、わざわざ100周年と銘打つまでもないのかもしれません。
太宰ファンは熱烈な人が多いそうですが、太宰ファンでない人は何でこんなに騒がれるのかと訝しげに思っているかも知れません。マスコミは騒ぐ方を取り上げます。例えば巨人はアンチ巨人という言葉があるように有名ですが、文学の世界では中々太宰が嫌いだと言う人がいません。石原都知事は芥川賞作家でもありますが、太宰は嫌いだと言っています。前述した三島由紀夫も太宰を認めていません。太宰の特長は女性に人気がある事なのかも知れません。
太宰は『女生徒』という小説を書いています。太宰が30過ぎの頃の作品です。中年男性が少女を語る。別に問題はないのですが、例えば山崎豊子さんは、大地の子で陸一心。不毛地帯では壹岐正。沈まぬ太陽では恩地。華麗なる一族では万俵を主人公にしていますが、男が女生徒というところに太宰の特長があるのかもしれませんね。私、太宰作品は何冊か読みましたが、それほどいいのかと言うと理解できないタイプです。
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