日米安保50周年を考える⑭
喜劇王・チャップリンが『人生はアップで見ると悲劇だがロングショットではコメディだ』と言いました。
それは国も同じで、引いてロングで見れば日本はアメリカとも中国とも台湾ともパレスチナともイラン、イラクでも周辺アラブとも仲が良く、これだけ各国と平和外交をしている国は世界でもそうはありません。
ところが近寄って見ると中国、北朝鮮、韓国の声が世界の声のように聞いてしまうので私の世代の多くは、日本ほど悪い国はないと言われた時に、納得する人は居ても反論する人は、まず居ません。その結果、日本人は現在地(アドレス)と現在値(バリュー)を正しく理解する事が出来なくなっていると思います。
富士山は、霊峰であり名峰です。それは富士山が、連峰ではなく独立自尊していて、海が近くにある、世界でも有数の名山です。そして山梨県側から見る富士山は凛々しく勇ましい男富士、静岡県から見る鶴ヶ富士は滑らかな曲線美の女富士。その男性、女性ではなく、なぞなぞで「富士山は男性、それとも女性?」というのがあったそうです。答えは「女性」です。
何故かというと、富士山は、五つも鏡を用意して自分を移して見ているから。五つの鏡(富士五湖⇒河口湖・山中湖・西湖・精進湖・本栖湖)があるからというものです。
単体で、見る角度によって男性美と女性美を、特に熱海から見る富士山は傾斜角が黄金比の 1:1.618が入って、より美しいとか。しかも湖を五つも持っている。私は世界一の名山だと思っています。最も、他の山は知らないのですが。
しかし、その富士山も近づいて見れば、全てが美しい訳ではないように、世界のどこを見ても清廉潔白だという国はないと思います。そうでなくとも国内にあってさえ、騒乱するのですから。まして国と国ともなれば、宗教、民族、歴史、伝統、イデオロギー、DNAが異なり、正義の概念が全く違うのです。
さて、日米安保ですが、60年安保、70年安保のとき、サンフランシスコ講和条約が日米安保の根幹で、この時が吉田茂首相、1960年が岸 信介首相、1970年が佐藤栄作首相でした。時の政治家の胸中を思うと、何が脅威といってソ連の存在だったでしょう。しかし、その事を政府は大々的に声明できない。そんな事をしたら、樺太、千島、北洋漁場を強奪したソ連が、更に南下して、北海道に下る可能性があったからです。(2010年2月 2日 (火)日米安保50周年を考える③に詳細)
しかし、そう言いたくても言えないというジレンマがありました。今、新日米安保から50年、時代は変わり、中国という存在が加わりました。ソ連という国は見える分かりやすい脅威の国でしたが、中国は分かりません。何しろ政冷経熱の国で、政治は共産主義で経済は資本主義というアンバランスが実に今のところマッチして、しかも、選挙のリスクもなく
一党独裁政治ですから、方向性が定まり理に適っているときは、反対勢力がないので、飛躍的に伸びてしまいます。
しかし共産主義国の大特長は仮想敵国を作り、国民を結束させる傾向にあります。本来の敵はアメリカ、しかし、表だっては言えない。そこで、何を言っても怖くない日本をターゲットにする事は今後も多いに考えられます。
渡部昇一先生講演 http://www.youtube.com/watch?v=6X-ALYgT8uw
(注意⇒どうも渡部昇一さんは、民主党と言いたいところを、言葉では社会党と言って間違えているようです)
ただ、渡部さんの名誉の為に記すと、一九八二年の六月、朝日新聞が高校の歴史教科書で中国への侵略を進出と書いているという記事が掲載されました。八月、宮澤喜一官房長官(当時)は、「これを契機に、近隣諸国に譲歩して教科書検定を是正する」と発表しましたが、朝日新聞が報道したような事実は全くないと声明したのが渡部さんでした。
つまり、この国は、全くないありもしない事を朝日新聞が報道し、全くない事実をもって官房長官が、近隣諸国に譲歩する国だったことを証明しています。その不正記事を明らかにした先生です。
櫻井よしこさん講演会
http://www.youtube.com/watch?v=i64bRgW9Vsw
http://www.youtube.com/watch?v=fsNO8E58LPo
実はソ連も中国も日本人が強いので怖かった。遙かに小国で体格も小さい日本人がまるで女王蜂を守る為に兵隊蜂が敵を倒す為に自らは死んでも厭わないというほどの勢いで一致団結して戦いを挑んでくるので今でも、その両国の指導者達は日本への警戒を解いていません。櫻井よしこさんの講演を聞いていただければ、これが私独自の固定観念でないことが分かると思います。