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石原慎太郎著「三島由紀夫の日蝕」を読んで

石原慎太郎著「三島由紀夫日蝕」を読みました。

 三島由紀夫の日蝕

この本を読んだきっかけは石原さんと副知事の猪瀬さんが「(三島由紀夫は)現代を予想していた」といっていたからです。

  私のブログ憲法は、天の時、地の利、人の和の天地人が揃ったとき大事なると思っている訳ですが、何をするにも、成功する確率より失敗する確率の方が高いわけでして、何しろイチローだって5本に3本以上は失敗なのです。孫正義さんは打って出るタイプと思われていますが、7割以上の勝算がないと打って出ないといいました。つまり、突然あらわれて「自衛隊の諸君、君たちはそれでも武士か」といって「済みません。間違っていました」と自衛隊員が言う訳がなく、物事は現実的に具体的に考えないと意味をなしません。

 それでは「三島由紀夫の言う通りだ。総決起しよう」という事になったとします。その後、どうするつもりだったのか。国会へ押しかけるつもりだったのか、そうしたら警察が動きます。機動隊も当然動くでしょう。そう考えると目的そのものが何であったのかわかりません。

 盟友の石原さんは確か3年くらい前に自民党から出てトップ当選しています。自衛隊を変えたかったら、同じように立候補する以外に手はありません。それ以外の行動は全て罪になります。最も、そんなの右翼でないというのであれば、そうですかとしか言いようがありませんが。

  市ヶ谷にいく前日、三島は美輪明宏さんのところへいって真紅の薔薇の花を贈ったとか、それは舞台の演出もされていたから芝居的にはいいんですけど、相手は武器をもっている自衛隊ですよ。私からみれば危険な行為です。

 確かに格調高く論評する事はいいのですが、その時の天の時も捉えていないのに、現代の様相を捉えているとは思えません。日本の危機は1969年の12月の選挙にこそありました。もし、マスコミの予想通り、社会、共産、公明が大勝して自民が大敗していたら、日米安保破棄、自衛隊違憲で安保も自衛隊もない丸腰です。

 それから40年以上たって、竹島は奪われ尖閣は狙われ北方四島には韓国とロシア、中国とロシアが合弁で水産加工してほたてや蟹の加工工場でロシア、中国、韓国が儲けて日本は自分の国の海産物を金を出して買わせて頂くという屈辱を受けています。

 日米安保自衛隊があってこれですよ。米軍なく自衛隊がなくて、どうやって40年も無事でいられますか。しかし1969年12月の選挙では、奇蹟的に自民党大勝、それにより日米安保維持、自衛隊存続がきまりました。実は日本は窮地を脱した時を迎えていました。

 確かに翌年1971年にはニクソンショック、1973年にはオイル・ショックがやってきましたが、三島由紀夫はそれを予見していたわけではありません。だって自衛官が武士の魂に仮に目覚めていたとしてもニクソンオイルショックはやってきますから、それは又、別のお話です。

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