文化とは言語
文化とは何か。これを突き詰めていくと、その最もな目に見えるものは言語という事になると思います。日本人なら日本語という事になります。まして日本語は言霊というように言語に魂があると信じた国民ですから尚更です。
私がTPPに反対する最大の理由は最終的には日本語が護れなくなる可能性があるからです。或いは今の日本人は日本語を捨てて英語にすればいいという人が案外多いかもしれませんが日本人が日本語を失うとどうなるか。皇室はなくなります。皇室は神道ですから、神社も不要になります。車だって右ハンドルが左ハンドル。免許証も保険も英語でと変わっていくでしょう。
何故日本は右ハンドルなのか、それは武士の時代から歩くときは左側、そうでないと狭い通路で刀と刀がぶつかり、「無礼な」となり争いになる。又、道で襲われたとき左の刀を右手で抜く。この場合、左側を歩いている方が刀を抜く時間を長く保てる。右側をなるべくあけて抜刀する事を考えた。その慣習から車は左側になったそうです。それが文化です。
ところが、アメリカの日本に対する年次改革要望書には、アメリカの弁護士に門戸開放が要求されていました。そう、裁判員制度はアメリカからの要求でした。それなら下記の讀賣新聞社説もそれなりに納得できるというものです。
外国人介護士 日本語の障壁をもっと下げよ(1月29日付・読売社説)
難解な日本語を障壁にして、外国の有能な人材を拒む制度は、根本的に見直すべきだ。インドネシアから介護福祉士を目指して来日し、3年間、介護現場で働きながら勉強してきた約100人がきょう29日、国家試験に挑戦する。
受験者の能力や意欲は高い。母国ではすでに看護師などの資格をもって活躍していた人たちだ。滞日3年の実務経験で、日常の日本語にも不自由はない。
それでも多くは合格できないと予想されている。看護師国家試験の先例があるからだ。日本はインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、2008年から看護師と介護福祉士の候補者を受け入れてきた。これまでに、合わせて800人近くが来日している。
看護師の場合、日本でずっと働き続けるには、認められた3年の在留期間に国家試験に受からねばならない。だが、過去3回の試験で合格者は計17人にとどまる。一方、介護福祉士の場合は4年以内に合格する必要がある。「3年の実務経験」が受験の条件であるため、滞在4年目の受験が“一発勝負”となる。インドネシアの候補者がこれを受けるのは、今回が初めてだ。
筆記試験のあり方にも、大きな疑問符が付く。看護師試験で合格者が少なかった理由は、問題文に「褥瘡」「仰臥位」といった、日本人でも難しい漢字や専門用語が並んでいるためだ。厚生労働省は昨年の試験から、難解な漢字に振り仮名をつけ、病名に英語を併記するなど、多少の改善は行った。不合格でも一定以上の成績だった人は、さらに1年滞在延長を認めることにした。
しかし、弥縫策(びぼうさく=一時的な策)に過ぎない。そもそもこれほど高度な日本語能力が必要なのか、という批判は専門家からも出ている。速やかに抜本的な改善策を講じるべきだ。インドネシアの候補者の多くがすでに、看護師資格取得を断念して帰国した。日本の医療から学びたい、と胸ふくらませて来日した人たちを、失意のうちに追い返す結果になっている。
フィリピンからも看護師と介護福祉士の候補者を受け入れているが、状況は変わらない。今後ベトナムからも受け入れるが、今の試験内容や制度のままでは日本嫌いを増やすだけではないか。優秀な人材を、もっと積極的に受け入れるべきだ。それは、少子高齢化が進む日本が、活力を保ち続ける道でもあろう。
(2012年1月29日01時07分 読売新聞)