鬼怒川の堤防決壊、今こそ公共事業を増やすとき
昨日は茨城の鬼怒川で堤防が決壊し行方不明者が出た。NHKのヘリコプターからの中継を見たがもの凄い勢いの濁流であわや家屋すらも飲み込んでしまうのではないかと思う程だった。2011年の東北大震災時に発生した大津波を思い起こすショッキングな光景といえる。
日本は自然災害大国でありながらバブル崩壊後から公共事業費を削減し最盛期の半分にまで落ち込んでいる。その為建設業者の数も激減し東北大震災の時には供給能力が足りない事態にまで陥った。
しかし建設業者は人材投資、設備投資を増やせない。それは一時的に大量の仕事が舞い込み人手不足が起きてもその先も継続的に仕事が来るか分からないからだ。本来であれば日本政府が大々的な計画を立て自然災害に備える国土強靭化の公共事業を行わなければならない。インフラは刻一刻と老朽化しまたどこの堤防が決壊してもおかしくはない。
加えて高速道路やトンネルなどの交通インフラは東京オリンピックのあった60年頃に作られたものが多くメンテナンス費も削られていて崩壊の危険が高まっている。
今こそ公共事業を増やさなくてはいけない。 公共事業には有効需要を生み出す効果以外にも様々な資産効果がある。例えばインフラが整備されて新幹線や高速道路が開通すればその分、国民の生産力が増加 (4時間かかっていた道程が1時間になれば3時間分他の生産が出来る)するし防波堤や耐震化によって将来の生命と財産を守る。安心して投資出来る環境が構築される。
国が国民の命を守らないでどうするのか。自然災害はいつ牙を向くか分からない。その来たるときに備えずまた多くの命を失っては、これまで震災で亡くなったきた方々も浮かばれないだろう。