EUを揺るがす移民問題 人類は一つになれるのか?
移民ショック ドイツ、流入制限に向け国境検査を暫定復活 「負担は連帯して…」
中東、北アフリカから欧州に流入する難民や移民の問題で、ドイツは13日、流入を制限するため、オーストリアとの国境で入国検査を一時的に導入した。ドイツはこれまでハンガリー経由の移民らを例外的に受け入れてきたが、激しい流入がとまらないことから、検査復活を決めた。
デメジエール内相が同日夕発表した。目的について「(移民らの)流入を制限し、秩序だった入国手続きを回復する」と説明。ドイツ鉄道は同日、オーストリアからの列車も国境で一時的に停止させた。
ドイツは4日、移民らの急増によるハンガリーの混乱を受け、オーストリア経由で移民らの受け入れを決めた。
しかし、玄関となる独南部ミュンヘンに到達した移民らは、8月末から今月9日で6万3千人。12日から13日夕に1万6500人が新たに到着した。ミュンヘン当局は収容能力が限界に達したと訴えていた。
デメジエール氏は国境検査復活について「欧州へのシグナルであり、負担は連帯して分担されるべきだ」と強調。EU加盟国に受け入れ拡大を求めた。
EUは14日、緊急の内相・法務相理事会を開き、欧州委員会の提案に基づき、難民申請者16万人の受け入れ割り当てを加盟国と協議する。しかし、中東欧諸国の反発は強く、協議は難航するもよう。チェコの治安当局は13日、オーストリアとの国境で警備を強化し流入を阻止する構えだ。
私が移民政策に反対しているのは何故移民受け入れはダメなのか でも書いたが今回は所謂セカイ系について私感を述べる。
白人も黒人も黄色人種も元を辿れば祖先は同じホモサピエンスである。今から20万年前、人類はアフリカで誕生したとされる。チンパンジーと人の違いは全身にメラニンを張り巡らせる進化をしたかどうかだそうだ。森から出てサバンナで暮らすようになった人類の祖先は強い紫外線から身を守る為にメラニンを獲得し褐色の肌を持つようになった。そして6万年前に獲物を追ってアフリカを出た人類はアラビア半島で二手に分かれ東は1万5千㎞先のオーストラリアに到達し北は6千万㎞のところに辿り着き生息域を世界に広げていった。
人間は太陽光を浴びないとビタミンDが作れない。しかし浴びすぎると癌になる。だから紫外線の弱い地域に移動した人類はビタミンDを補う為、紫外線の量に合わせて肌の色を変化させた。更に肌の色だけでなく目(青い目)や髪(金髪)もメラニンが少ないために生まれた。
ある番組でイギリスに移住してきたインド人の男児がビタミンD欠乏症の為に歯が生えてこない現象が起きていると紹介していた。世界最北に住むイヌイット族の肌は黄色のまま、アザラシ・鯨・魚などを食べてビタミンDを補ってきたが近年では伝統食がアメリカの食文化に取って代わり骨が脆くなるという問題が起きている。反対にオーストラリアはイギリスからの移民が多く白人の三人に一人は皮膚癌にかかっている。
このように人類は生息する地域によって太陽光線の調節するために肌を黒くしたり黄色くしたり白くしたりして生き延びてきた。日本の場合は暑くて倒れそうな夏の後には寒くて死にそうな冬が交互にやってくる。だから中間色の黄色となったのではないだろうか。イギリスに住むインド人の子供は生薬を飲み続けなければいけない。オーストラリアに住む白人はサングラスを掛け帽子を被り常に紫外線を避けている現状がある。
人類はそれぞれの地域で独自の進化を遂げ発展した。それが世界各国の文化、伝統でありその裏には現在に至るまでの歴史がある。それを全て無視して人類は一つ、人間はみな同じで人種も国も関係ないという発想にどうしてなるのか私には分からない。同じ国の人間でさえ争いはなくならないのに他国の人間と一緒に暮らして仲良くしましょうなどというのは絵空事に過ぎない。ハンガリーの女性カメラマンが難民を蹴りつけた事が問題になったが人間の本質はそういうもので何かに対する拒絶反応というのはどんな動物も備えている本能である。それがなければ機械と同じ、生物ではなくなってしまう。
勿論、白人だから黒人だから黄色人種だからという理由で差別があってはならない。しかし各々明確な区別は存在する。それを無理矢理一つになろうという方が余程暴力的で差別的ではないだろうか。