日本に巣くう新自由主義
1億総活躍、お手軽なバラマキなど懸念 “痛み”どこまで踏み込めるか
政府の「1億総活躍国民会議」が取りまとめる具体案は、アベノミクス「新三本の矢」が掲げる「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」に向け対策を強化するものだ。ただ来夏に参院選を控え、対策は見栄えのいい「小手先」のものになるとの懸念もある。問題解決に向けて、規制改革や歳出改革といった“痛み”にどこまで踏み込めるか、政権は覚悟を問われている。 .
「少子高齢化という構造的問題にしっかり対応していく」。会議後の会見で、加藤勝信1億総活躍担当相はこう述べた。会議では有識者から「出産、育児に関する相談機関を設けるべきだ」などといった意見が出た。こうした声を踏まえ、待機児童解消のための保育所整備や特別養護老人ホーム整備といった事業を検討するとみられる。もっとも、市場の見方は厳しく、「選挙対策のお手軽なバラマキになるのでは」(市場関係者)と危ぶむ声も挙がる。
. ニッセイ基礎研究所の薮内哲研究員は、多様な働き手を真に確保するには、労働規制の改革に切り込む必要があると指摘。「労働時間を実労働時間でみない『裁量労働制』などの適用範囲を広げるべきだ」とする。人材の流動化を進めるため、法改正して正社員を解雇しやすくするべきだとの意見も根強い。 .
また、財政健全化の路線を保ちながら財源を得るため、膨らむ社会保障の歳出改革に踏み込まなければないとの声もある。会議に出席した日本商工会議所の三村明夫会頭は「固定的な財源確保が必要。社会保障の重点化、効率化を進めなければならない」と述べた。
この手の記事を書く人は決まって新自由主義的な考えに染まっていて、口を開けば規制改革、財政健全化しかいわない。日本経済における根本的な原因は「需要」が不足していることであり歳出削減の“痛み”を国民に与えれば、更に消費や投資は経るから「需要」もその分、縮小し結局は財政健全化も歳入の増加も起きない。
また労働規制を撤廃し正社員を全て派遣社員にしどんどん低賃金で日本人を働かせようという恐ろしい内容が堂々と書かれているが、そんなことをすれば当然、需要が減り日本経済は成長するどころか更に不況が悪化倒産する中小企業が増えるだけである。大企業やグローバル企業は安い賃金で労働させられるから嬉しいだろうが、そこに国民経済はない。ドイツ然り、韓国然り、アメリカ然り、新自由主義的な政策が続けられた国は全て貧富の格差が拡大し貧困層が増大している。日本をそのような国にしようというのが竹中平蔵を代表する新自由主義者、グローバリスト、構造改革論者である。
彼らは決まって規制が緩和され参入が増えればその分価格が下がり消費が増え需要が増えるなどというが、1000円のものが500円になっても2個買われる訳ではない。パイの総数(需要)が圧倒的に足りない状況で価格競争が起きたところで元々、買う人がいないのだから企業が疲弊し、更にその企業で勤めている人達の消費や投資が減るだけ、そうして全体的に消費や投資が停滞しデフレが深刻化していく。「子育て支援」大いに結構だが根本的な原因はデフレによる若者の貧困化で結婚が出来ないということだ。結婚した世帯の子供の数は上昇傾向にあるが問題は結婚の総数が減っている。
新自由主義者のデフレ推進政策に耳を傾ければ失われた30年に突入していく、財政危機などまったくないのだから大規模な歳出拡大、財政出動をし需要を生み出すしかない。