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傷だらけの国で御座います

鶴田浩二が1970年に傷だらけの人生を発売した。
♪ 何から何まで 真っ暗闇よ筋の通らぬ ことばかり

 しかしこの当時、私はそれほど真っ暗闇かな~と思いながら聴いたものであった。それから46年、歌の通り筋の通らぬことばかりどころか、筋さえない。
「古い奴こそ、新しいものを欲しがるもんで御座います」ここも違う。平成生まれ世代は「今、新しい者こそ、古い時代を考えているので御座います」といった方がいい。それをネット社会では左翼がネトウヨといって扱き下ろす。違う、回帰懐古懐旧つまり復古の精神が起きている。メディアは何らも本質を掴んでいない。橋下さんは反天皇ではないが尊皇ではない。日本人のDNAは中央集権である。実は日本は6852もの島で形成されている。 しかし心は一つで九州と半島が組んで本州を攻略しようと考えた事はない。それは本州にいる天皇を四国にいても九州にいても崇め奉っていたからである。戦うということは天皇家だけにある錦の御旗を翳すことで正規軍、進軍、大義が罷り通った。

 東北で地震がおきれば隣の県でもないのに遠方から多くの人が駆けつける。熊本で地震おきれば東北で何が出来るかと思いを巡らせる。日本という国は七割が山地で谷川ばかり、日本人の歴史は公共事業の歴史だった。国土は細長く地形は急峻、大雨は上流から下流まで一気に流れ川は氾濫、堤防は決壊、現代でさえ大風と大雨で交通が麻痺する国で世界の〇.二五%しかない日本国土にマグニチュード六以上の地震が二〇%以上集中する世界屈指の災害大国である。そこから災害時には武士も町人も一丸となり、他藩も物資を送った。つまり災害列島故に「谷川に堤防、海に防波堤、国家に国防」という学問はなくても大人達の様子をみて子供達は大人になり、地震がおきると何の論議もせずに嘗ての大人と同じことをした。

 しかし道州制になると福島原発災害は東北地方、熊本の事は九州地方で何とかしろとなる。それは災害だけでなく有事も同じだ。幕府の井伊直弼日米修好通商条約という。今でいうTPPを結んだ。例えば日本がEUと貿易をしてトラブったらアメリカ様の裁定に従うという不平等条約、これを聞いた武士は「欧州に弓矢一本放てないとは何事だ!「これでは、欧州とアメリカが裏で手を組んだだけで日本は終わりでは御座らぬか」といって有村次左衛門が桜田門外で井伊直弼を斬った。ここから幕末が起きた。そして九州から西郷、大久保、四国から龍馬、山陽から高杉晋作が立った。彼らは皆、地方の議員でもなければ市役所の職員程度、龍馬などは郷士といって武士といえど最低階級、商売をしていたくらいである。夏の土佐の日差しはキツイが日傘は禁止、下駄は履けなくわら草履、道すがら龍馬は武士と出会ったら道の横に座り通過するまで頭を下げる仕来り、一体雨の日はどうしたのだろうと思ってしまう。

  尊皇であるが故に徳川が勝手に条約を決めるなで佐幕運動が起き攘夷とした。これを知っていればTPPは第二の日米修好通商条約だから当然反対すべきだったが、それから150年民主党はTPPバンザイとした。菅直人は自分の内閣を「奇兵隊内閣」とぬけぬけといった。高杉晋作奇兵隊は尊皇である。菅直人は日の丸は見ない。君が代は歌わない。よって反尊皇の反日である。しかもアンタは菅幕府の将軍、奇兵隊は農民である。コイツは平成の大獄をやるぞと思っていたら案の定、2010年中国公船が海保船(海上保安庁)に体当たりをしても中国様には抵抗しなかった。中国から
「船長、船員と船を無償で返せ、さもなくば、人質にとったフジタ社員4人はどうなるか分かっているな」といわれると
「仰せの通り」といって直ぐに返した。

 海保の一色正春さんは体当たりしてくる中国公船と逃げる海保船のビデオをYouTubeに公開した。すると菅将軍は一色さんを国家公務員法違反で平成の大獄をなそうとした。これに激怒したのが当時の石原都知事連合赤軍に対した佐々淳行(初代内閣安全室長)さんで、二人は国民の知る権利を護る為に勇気ある行動をとった一色さんを守れとインターネットで署名を募ったため、菅将軍はこの二人を相手にしたら菅幕府は潰れると読んで却下した。しかし一色正春さんは海保を退職した。菅将軍はその後、選挙区で落選。しかし比例の上位に名前を連ねていたのでゾンビ当選。恥を知らない将軍であった。だから「獣ごっこが罷り通る世の中で御座います」傷だらけの人生は余程、今の世こそ言い当てていて深刻なのは傷だらけの人生というより傷だらけの国、日本というわけ。

 

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