保管

保管場所

大学なんていらねい②

 パナソニックの生みの親、松下幸之助は家が貧困だったので小学校4年で学校を辞め、自転車屋に勤めた。そこから電気に興味を持ち二股ソケットを作り大ヒットした。
 二股ソケットといっても現代人には分からない。例えば暑くなってきたから扇風機をつける人が増えてきたと思う。当然、扇風機のソケットは壁にあるコンセントに指す。ところがその当たり前が当時なかった。当然扇風機もなかった。みんな内輪で涼をとったが天井にはソケットが一本ぶら下がっていてそこに電球をつけると電気になる。幸之助は考えた。二股ソケット、つまり電球が二つつくようにすれば、電球は一つでいいわけだからもう一つ何かが使える。例えばアイロンをかける必要があるときは電球を消さなければならない。

 真っ暗でアイロンを使うのは危ない。それで夜はアイロンを使えなかったが二股にしたことでアイロンが夜も使えるようになった。それが飛ぶように売れ、松下電器は東京へ進出し、更に海外へと打って出てパナソニックになった。
 人々は今、何を求めているのか自転車業でそれを学んだ。ある日、幸之助は道すがらの人が屋外にある水道の栓をひねって、水を口のみして一息ついたのを見た。家人は別に怒らない。それは水道代が安かったからだ。そうか製品単価を安くすればみんなが家電を持ている。

 そこから家電を安くするにはどうしたらいいか、産業人の使命は貧乏の克服であり、製品は蛇口を捻れば、水が出てくるように安価で簡単に使えなければ、いけないと考えた。それが松下幸之助水道哲学であった。

人気ブログランキングへ