成功体験と失敗体験
日立製作所、東芝、ソニーの三者が日の丸連合で中小型液晶事業を統合し、5年前2012年4月に発足したジャパンディスプレイ(JDI)が苦境にある。
同社の誕生を主導したのは政府系ファンドの産業革新機構だった。2000億円を投じて日本メーカーの大同団結を実現することで、韓国勢などに押され気味の電機市場で優位を取り戻す「日の丸再編」のモデルにしようと掲げた。こう書くと日立 ソニー 東芝の怠慢のように思うが嘗て日の丸連合を大蔵省、通産省、外務省は守らなかった。
トヨタ 日立 三菱重工が世界に誇る国産ジェット機YS11を開発したときも大量生産できなかった。それはアメリカの圧力で客船、貨物船までは許す。しかし空母、それから飛行機は禁止で官僚たちはアメリカのロッキードを守った。
光ファイバーも東北大の西澤潤一教授が特許取得に動くもアメリカに取らせた。今やOSといったらウインドウズだが、日本でも坂村健東大教授を中心にしてTORONプロジェクトが発足、富士通、NEC、東芝が共通のオリジナル日本ブランドOSを開発したがアメリカがス-パ-301という訳の分からない法律でTORON開発を壊したので、今やグーグル、アップル、MSにおいしいところをもっていかれた。
何かするときは不安である。そのとき心の支えになるのが過去の成功体験だが、それを悉く潰したのが、官僚たちだった。民間を問題にするより国の官僚こそ問題にするべきである。