プロレス人気は復活するのでしょうか
戦後直後の世相を伝える番組を見ると力道山という人が良く出てきます。テレビ中継が始まった初期に今なら考えられない様な光景ですが14型のブラウン管の街頭テレビを多くの人達が見上げて力道山の空手チョップを見物していたようです。力道山は体の大きいアメリカ人に空手チョップを繰り出し小柄な体でありながら引けを取らずに相手を倒したところ人気に拍車がかかりました。しかしその後プロレスは日本のスポーツ界の雄になったのかというとそうではないようです。プロレスは八百長だという批判があったらしく、日本の4大新聞が力道山を取り上げなくなりました。そして門下生だったジャイアント馬場さん・アントニオ猪木さんがメインイベンタ―となって活躍しました。私は現役時代の猪木さんを知らないのですが恐らく引退して10年以上経つのではないでしょうか。それなのにアントキノ猪木さんやアントニオ小猪木さんという人達が猪木さんのモノマネをしているのですから今なお絶大な人気を誇っています。
なぜそんなに人気があるのかと思って調べてみると異種格闘技戦の第一人者が猪木さんだったようです。目的はプロレスが格闘技の中で一番強いと言うことをアピールしたいためにモハメド・アリが「プロボクサーの俺に勝てる奴が居たら名乗りをあげろ」という挑発に対し猪木さんが手を挙げアリ戦が実現したようです。他にも極真空手のウィリー・ウィリアムスと戦って引き分けているようです。そうすると現在人気のあるK-1の土台を作ったのは猪木さんかもしれません。その反面プロレス人気は下降してしまいました。私が生まれる前は金曜日の夜八時というと子供は太陽にほえろが見たくて大人は新日本プロレスを見たかったと聞きました。しかし最近また「プロレスが一番強い」と叫ぶ選手が出てきました。新日本プロレスの中邑選手です。すごい運動神経の持ち主で、まるでタイガーマスクが覆面をとって劇画を実演しているようなスピーディーな動きで驚いてしまいました。ラリアートという必殺技の創設者はスタン・ハンセンという人で猪木さんを相当手こずらせた好敵手のようです。余談ですがこの時はラリアートではなくウエスタンラリアートという名の技でした。その必殺技の基盤になったのはジャイアント馬場さんのランニングネックブリーカードロップという技で、それを受けて考えたのだという説があるそうです。
さて、そのラリアートですが中邑選手はラリアートを受けると見せかけて相手の腕を鉄棒の様にして一回転して相手をマットに沈め、次の瞬間には腕菱逆十字という柔道技でギブアップさせてしまう達人です。もし、この技を猪木さんが習得していればハンセンのラリアートは必殺技ではなかったかも知れません。その中邑選手が「世界に挑戦したい」と言っていました。そうなると改めて総合格闘技K-1をターゲットにしているのかも知れません。中邑選手は23歳の2003年12月31日、K1ダイナマイトでイグナショフと対戦し無効試合となっています。しかし、2004年5月21日に同カードで対戦し勝っていますがその後は出ていないようです。プロレスが1番強いということを証明して欲しいものです。