党首討論が終わって
マクルーハンの『メディア・イス・メッセージ』を実例で言えば、早50年前の1960年、即ちニクソンとケネディのリベートをラジオで聞いた人はニクソンが勝ったとし、テレビを見ていた人はケネディの勝利を感じた人が多かったそうです。
結果、ケネディが大統領になりました。
しかし、昨日の麻生VS鳩山党首討論は、さほど票には向かわないようです。総じて大騒ぎするほど、みるべき内容はありません。
さて、話変わってアメリカですが、仮に今、ブッシュさんであれば、2001年9月11日の同時多発テロをキッカケにしてイラク戦争を起こし、アメリカが復活したように「夢よ、もう一度」とする動きが出ていると思います。
大体、アメリカが引き起こした1929年10月24日木曜日のブラックサースディ、所謂『暗黒の木曜日』が第二次大戦の引き金でした。そして、大戦後、アメリカは最もリッチな国になりました。
アメリカは戦略国家であり、軍事国家ですから、不況になると戦争を容認します。景気指数に在庫統計が使われます。即ち、倉庫に物資があることは景気が悪い証拠です。だからといって、銃や戦車は戦争がないと捌けません。
そこで、不況になると、戦争が起きる。日本が円安を望むように、世界の有事は最大のドル高要因です。放っておけば、アメリカ失墜、ドル安ですが、これを反対にするためには有事こそが、大特効薬です。北朝鮮が、テポドン2を発射したときに、イランの重鎮が公用車で視察に来ていたことは明白です。(09/3/27ミサイル発射問題②)
従って、北朝鮮は孤立しているように見えますが、イランとは手を結んでいて、北朝鮮が地下核実験をした頃にイラクもミサイル実験を敢行しているのは偶然ではないでしょう。
イランの台頭はイスラエルに取って脅威。パレスチナ問題は事実上イラン問題です。そして北朝鮮は、同じ核を持つ中国には刃向かわない。韓国は、何だかんだ言っても元は同じ民族。ターゲットは日本です。
それで、北朝鮮はアメリカから金を貰う。アメリカは日本から金を取ればいいだろうという論法ですが、そうはいきません。なにしろ、アメリカと日本は独裁国家ではありません。そこでブッシュだったら、疲弊するアメリカ。この際、同時に、イランと北朝鮮を叩くシナリオをブッシュ政権中枢を支配する新保守主義(ネオコンサーバティブ=ネオコン)に描かせるところですが、今はオバマ政権です。従来のシナリオが描けるか、それてとも描けないのか?
何しろ、ブッシュは親子二代で軍事でアメリカを立て直すことを考え、オバマ大統領はグリーンニューディール政策で経済を立て直そうとしている全く違う人です。それに核軍縮を訴えながら戦争というのもストーリーとして無理があります。しかし、それでもオバマ政権はアメリカとアメリカの同盟国の安全保障のためにミサイルの防衛予算を16%引き上げる方向だとか。
でも、アメリカは金がないので、 そうなると財政破綻寸前のアメリカの国債を日本が買い支え続けなければなりません。アメリカは、原住民のインディアンを200万人殺戮し黒人を1000万奴隷にした政治から始まりました。この白人文化を良しとしないオバマさん。しかし、小泉さんの側には、嘗て田中真紀子さんがいたように、ヒラリー・クリントンさんがいて、その夫のビル・クリントンさんは、嘗て北朝鮮を甘やかした張本人でした。
オバマさんとクリントン国務長官との仲は、微妙なものがあります。やはり友愛に似た対話を重視する鳩山さんの裏側には小沢さんがいたように、イヤ、小沢さんより遙かに、ヒラリー・クリントンさんの方が強力ではと思っています。
それにしても、日本のリベートは、戦時下のおとぎ村の村長さん達のような印象が強いです。防衛なき国家ですから、諸葛亮孔明だったら司馬懿仲達だったらと感じています。