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本当に政権交代なのか②

 小渕政権の、この頃の背景をみてみると 

1996年  住宅金融専門会社住専)破綻
1997年 第一勧銀 総会屋への巨額の利益供与発覚、三洋証券経営破綻、山一証券経営破綻、北海道拓殖銀行経営破綻。
1998年 日銀・大蔵省接待汚職日本長期信用銀行経営破綻、日本債券信用銀行経営破綻

 景気対策を打ち続け、財政赤字は645兆円にもなり、一も二もなく経済優先で政治家は一致団結する戦後最大の時でだったといえます。この後、官房長官だった青木さんが「小渕総理は後継者に森喜朗が良いといった」と発表したものの、大嘘で小渕が倒れてから誰一人、肉声を聞いていないし、そもそも話を出来る状態ではなかった事が如実になりました。

 当時、幹事長の森、幹事長代理の野中、政調会長の亀井、参院議員会長の村上五人組の密室の談合であった事が明らかになり、密室で誕生した森内閣神の国発言、迎えた衆院選では三八議席を失う不人気内閣となり、自民党総裁選となりました。

 既に首相経験があった旧・経世会橋本派から橋本龍太郎が再び立ち、この時、旧福田派・清和会の小泉純一郎が立つという角福戦争の再来。この時、父方の敵方の福田赳夫の書生であった小泉を、それまで変人、ドンキホーテといっていた田中角栄の娘・真紀子さんが担ぎ出したのです。

 父親の田中閥でありながら、番頭だった竹下登と共に行動した橋本さんを「ポマードを頭に付けたオッちゃん」と揶揄したのは、父親を裏切った男が二度も総理を狙うとは厚かましいと思ったのでしょう。そこで「変人」と称した小泉さんを応援しだした。これには小泉さん自身、驚いたにちがいないでしょう。

 何故なら、宿敵の田中派閥は、その時、自民党、最大派閥の橋本派。その資金の源泉は郵政であり建設業界の資金で鉄の結束を誇ってきたのですから。そこで自分が、総理になってたら、郵政を民営化したかった。建設業界を潤す公共事業を止めることで、橋本派を解体したいとおもっていたところ、その主であった姫君がマイクを握って応援しだしたのですから、人生最大のハプニングです。

 こうして自ら自民党をぶっ壊す公約した小泉さんが、不人気森内閣の反動で、超人気内閣となり、まず最初にしたことは写真集の発売でした。このとき、父が「還暦になる男が、まるでスター気取りだ。この男は危なすぎる」といった頃ですが、私も、そう思いました。

 刺客選挙(郵政民営化)の結果、悪行は悪果を呼び、次の選挙で自民党は大敗。大敗の要因はひとえに郵政民営化につきます。しかし自民党は、一番の反省点を言えない。何故なら、それを言えば、逆らえば公認を得られなくなるので、その怖さから郵政民営化に賛成したといわなければならない。

 現に、麻生総理になって鬱憤ばらしに「郵政民営化に賛成でなかった」と本音をいったら、内閣支持率は急降下しました。だから、お茶を濁すような発言しか言わない。太平洋戦争の総括も、何らもなされていないように 日本の政治は反省すべき時に常に反省していない。

 遡れば戦前・戦中の東条内閣も、戦後の田中内閣も小泉内閣も異常な人気内閣でしたが、悉く間違えた政策を施行しつづけた。異常な人気内閣ほど検証すると危なすぎるという結論が見えてきます。

 今、マスコミは政権交代と騒ぎ立てています。しかし、橋本さんの総理時代から検証していくと、橋本さんは小沢さんと同じ田中派閥の経世会で、次の小渕さんが同じく経世会、次が森さんで、これが『角福戦争』と言われた田中角栄の宿敵、福田派の清和会。次が、森の弟分の清和会・小泉さん、そして安倍、福田さんと四代に渡って清和会。そして漢字も空気も読めなかった麻生さんの次に、鳩山・小沢民主党へと政権が交代した事になります。

 この時、田中真紀子さんは既に民主党に鞍替えしていていました。それなら、最初から小泉さんではなく、小沢さんを応援するのが筋ではないでしょうか。総理の鳩山も幹事長の小沢も財務大臣の藤井も外務大臣岡田克也も、みずから黄門様を名乗る渡部恒三も、生粋の田中閥だった。ようするに清和会から嘗ての経世会に戻ったというのが真実です。

 経世会は、最も自民党中の自民党で、だから郵政民営化にストップが掛かった。何の事はない。先祖返りしただけなのに、やたらとマスコミは政権交代というから国民は異常な期待をして、鳩山内閣の支持率は高い。この国は、郵政民営化を唱えた人と、異議を唱えた人が共に人気が高い。つまり、有権者は相反した一物二価に諸手を挙げて応援しているのです。

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