日米安保50周年を考える⑯
鳩山首相:邦夫氏「兄貴は母に金無心」 与謝野氏「聞いた」と質問、首相は否定
自民党の与謝野馨元財務相は12日の衆院予算委員会で、鳩山由紀夫首相の弟の鳩山邦夫元総務相から聞いた話として、鳩山首相が実母にお金を無心していたとする「秘話」を明らかにした。首相は全面否定した。
与謝野氏は約1年前、邦夫氏から「兄貴はしょっちゅう、おっかさんとこ行って、子分に配る金が必要だとお金をもらっていた」と聞いたと披露し、「首相は母と政治資金の話をしていないと答弁しているが、実際はしているのでは」とただした。首相は「まったくの作り話だ。兄弟として信じられない」と強く否定。「議員の中でも私からもらった人は誰もいません」と答えた。これに関連し、邦夫氏は同日、記者団に「母と電話した時、『お兄さんは子分を養うためにお金が大変いるということだけど、あなたは子分いないからいらないわけ』と聞かれた」と述べた。
映像で大分、報道されたので、皆さんもご存じだと思います。
質問者の与謝野さんという人は学者タイプで沈着冷静、自民党でも三本の指に入る理論派です。よって嘘を付く人ではありません。鳩山邦夫さんは法務大臣をした人。嘘を付く元法務大臣が刑を執行していたのでは堪りません。問題の鳩山首相ですが、この人も日本国の総理なのですから嘘を付くはずがありません。しかし、この三人の内、誰も嘘をついていない、という訳にはいきません。誰かが嘘を付いているという事になります。
私は、何回も映像を見ましたが、結論から言えば鳩山首相はいつもの様子ではありませんでした。明らかに動揺しています。そして、質問する与謝野さんは余談ですが、明治の歌人・与謝野晶子の孫にあたります。いつもは温厚な人なのに、かなり過激に突っ込んでいました。与謝野さんとしては激高したという印象があり、色で言えば赤を感じました。
これに対し、鳩山さんも激高しましたが、それは青を感じさせる激高ぶりでした。そして一番言いたかった事は「兄弟として信じられない」という事でしたが、民主党のヤジが聞こえて「総理落ち着いて」と何度も言っていました。鳩山さんもハッとしたように分かりましたと言っていました。
後にインタビューに答えた弟さんは落ち着いていました。何と言っても日本一の名門で与謝野さんも言っていましたが、貴公子然としている。下々の家と違い、お母様の誕生日ともなれば一ヶ月前から何が良いかと思い悩んでお母様を招き、粛々と式典をするようなお家柄です。
よって、ご長男の鳩山さんは常にお母様がご機嫌麗しい事を確認しているに違いなく、普通の家庭よりも遙かにコミュニケーションがあると思っています。「お母様、弟が代議士になったのだから、自分もなりたい」と言えば「北海道から立ちなさい」と全てお膳立てしてくれる。勉強するにしても、朝からしたほうがいいと知れば、お母様は二人の息子の為に朝早くから起きられ、息子達を起こして温かい食事を作り家庭教師が来て学ばせる。
という環境に育ったのですから、「お母様、お金が足りないんだ」と言えば、どんどんお金を振り込んでくれる。しかし、お母様と鳩山首相との間にお母様が黙って振り込んだ形にしてもらいたいと言えば漏れる事はありません。弟はマサカ兄を裏切る筈がないと踏んでいた。しかし、弟自身も、こうなることとは知らずに与謝野さんにポロリと言っていた。与謝野さんは、それを覚えていた。
そして余りにも公然と質疑応答の席での暴露。「事実が明らかになった場合には総理を辞する」と言い切っていて、その前には自民党の加藤紘一議員の秘書に問題があった時、「秘書の問題は議員の問題。議員を辞職すべし」と言った事もある。どこから見てもいい人は、自分自身を更にいい人だと思っているようなところがあって、ゼネコンからの献金(他人の金)を使った訳ではなし、あまりに支持者が少なく金が入らないのもかえって潔白すぎて政治力がないように捉えられてもならないので、死んだ人の名前を使って自分の金を注ぎ込んでいた。何も悪くないと考えるお坊ちゃま。
しかし、こう考えたら、どうでしょう。銀行員がノルマがキツいので自分の給料からお客さんの名前を使って預金通帳を作り、ノルマをこなしているように見せて、その事がばれてしまった。民間では客の名前を勝手に使っていたという事でクビになります。
与謝野さんが「平成の脱税王だ」と言ったとき、鳩山さんは、そんな悪いことはしていないと思ったでしょう。しかし、角度を変えれば清廉潔白を謳い文句に清廉潔白でない事をしてしまっている鳩山さんは、それでも自分は悪い事をしていないと思っている訳ですが、一方で国民も親の金を貰ったのだから小沢さんとは違うと思っているという事になります。
今は確定申告のシーズン。片山さつきさんは前回の衆議院選で落ちてしまいましたが、旧大蔵省のバリバリのキャリア官僚で「脱税が一億となると通常は査察が入る」と言っていました。つまりマルサが入るという事ですが、しかし略式起訴であったりして、やはり特権階級は扱いが違うというような趣旨を言っていました。法の下の平等は、とても履行されていると思えません。中坊公平さんが二割司法と言っています。(詳細⇒2009年3月12日 (木) 松本清張さんと司馬遼太郎さん② (金賢姫元死刑囚と拉致被害者家族の面会))
何時の世も、実は法律さえも平等に施行されているようであっても、現実を直視すると疑問だらけで、例えば菅家さんが政治家一家の人であったなら話は違っていた事でしょう。同様にホリエモンが政治家の息子であったとしたなら、今のような状況に置かれていたのかと言えば、そうではなかったという気が強くします。
このように条文は全く同じでも、その施行は、その状況によって異なります。簡単に分かりやすく今の政治を言えば、政権奪取のためには取り敢えず出来るか出来ないか分からないことでも出来ると言い切って、民主党に政権が移れば自民党より良い政治をするという思いがあったのでしょう。しかし、それが、かなり危うくなって来ています。
小沢さんに対して昨年施行された検察審査会に市民団体が不起訴は不当と異議申し立てをしました。国民がおかしいという事になった場合には検察審査会を通して司法の力ではなく民衆の力で起訴する事が出来る制度によって、小沢さんが起訴される可能性も出てきています。小沢さんが起訴されるような事になれば当然、自民党は任命責任を鳩山さんに求め、退陣を要求するでしょう。そして又、政界は混乱する事になります。
この状況をどうするのか。実はとても簡単で弟・邦夫さんと話し合い、「戦後最悪の事態だから自民党と民主党が連立を組み、安定多数の大勢力をもって国民の支持を得る。その代わり兄も弟も要職にはつかない」つまり兄弟愛を持って政治を優先し、自らは新内閣の元で大臣にはならないと声明すれば、安心して日本の株が買えるとばかりに株価は楽に上げる事が出来るでしょうし、流れが変わります。これが何よりも友愛の精神の為せる技です。
しかも、何のコストも掛からない。兄と弟が国民を優先して手を結ぶことに反対は起きないでしょう。これは相撲界の貴乃花親方にも言えることで、お兄ちゃんの若乃花と和解し、それをもって相撲道としなければ、本来の日本人の持つ兄弟愛、親子一体の精神を説くだけの実証となりません。
自らが変わる事で一、二を生じ、二、三を生じ、三、万物を生ずと老子が言ったように、一点突破、全面展開の道が開けてきます。
個人と個人の対人関係でも会う度に苛つくと疎遠になり、顔を見るのも嫌になります。それと同様に国も何時までもすったもんだをしていると、いい加減嫌になってきて、日本を51番目の州にしてしまえばいいという考えもアメリカに出てくるかも知れません。何しろ、日本の米国債残高はいくらなのか正確な数字は分かりませんが、そうすれば日本に対する借金はチャラ。
総理大臣を日本州の州知事にして円ドルも面倒だから、ドルに統一。そうすれば日本州の中に軍事基地を持つ事が采配を仰がなくともアメリカ本国のワシントンDCで決める事ができます。そう考えだすところがアングロサクソンのDNAであることを忘れているのではないでしょうか。
つまり、日本人の体質・気質を考えれば二大政党は不吉です。今、日本の祖先の叡智に頼るべき時ではないでしょうか。祖先の叡智とは自然を融合した民族で西洋の哲学とは異なります。故に古来より西洋に主義有り、東洋に道有りと言われています。民主主義も資本主義も所詮は末節で、幹は日本人であるという共通項です。その共通意識を高め、何よりも一致団結して乗り切る事を第一の優先事項として考えて欲しいと思っています。
何しろ日本人は需要が100倍もあるのに供給が行き当たらない中でもインフレを起こさなかったという、世界の経済学者が寄って集っても経済学を覆していた民族であり、戦前、戦中は、一致団結してインフレにならないようにしたからこそ、苦しい最中にあっても共産主義以上の助けあいの精神で金持ちが生き残り貧乏人が餓死したという例を作らずに大危機を乗り越えたという奇跡的経済を起こしていた民族の末裔です。
70年前に出来た経済が、何故出来ないのか。それは70年前に持っていた日本人としての心を今の人達は捨て去り、忘れ去っているからだと思っています。