哲学なき日本
7月末の朝生を見ました。
テーマは『激論 若者不幸社会』で出席者は下記の人達です。
東浩紀(早稲田大学教授)
河添誠(首都圏青年ユニオン書記長)
勝間和代(経済評論家)
清水康之(自殺対策「ライフリンク」代表)城繁幸(Joe's Labo代表取締役、作家)
高橋亮平(「若者マニフェスト」代表)
福嶋麻衣子(モエ・ジャパン代表取締役社長)
堀紘一(ドリームインキュベータ会長)
山野車輪(漫画家) など
今回、堀紘一氏と、東浩紀氏がバトルになり、堀氏が「だからいいからぁ。話してみなよ。人の事批判するんじゃなくて どうしたいんだよ、何を言いたいんだよ。貴方っていつもああだ。こうだと ケチつけるだけで、貴方から何もメッセージ出てこないよ。言ってごらんよ。言えないんなら帰れよ。」という言葉に東氏が退場。しかし、5ふんもすると戻って着て席に座りました。司会者の田原さんが司会者としてなしていないと田原さんを詰る場面がありました。
東氏は、自分の思惑通りに進行しないので不快な表情をしていました。堀氏にはビジョンがあって、人口5千人くらいの町や村では若者ひとりだけが農協に現地採用されるくらいで、生まれた土地で生きていけない。このシステムをあらためないといけない、日本は職人芸的技術の国だから新産業の環境産業に立脚して雇用促進すれば、様々な点数の部品作りが生まれてくる。それを海外に輸出するビジョンを語っていました。対して、東氏には、そういったビジョンが聞かれず、どういった案を持っているのか分かりませんでした。
この番組は必ずバトルがおきますが、調べてみると、私が生まれる以前に桂三枝さんが席を立った事があったそうですが、哲学者が、自らその要因をまいていて席を立ち、しかも、そうしておきながら戻ってきて許される。重役が課長クラスに何らも意見がなければ帰れといい、分かりましたとばかり席を立ち戻ってくると、田原さんが喜んで迎え入れる。そんな会社があるとは思えません。東氏は哲学者で日本には哲学が必要だと後半で言っていました。会社で東さんのような事したら、一生棒に振ると思うのですが、そうならない為の哲学ではないのでしょうか。皆さんはどう思いますか。と知恵袋に質問をしたら、回答がつきませんでした。
私が問題にしたのは、東さんの年齢からすると、堀さんは父親世代、田原さんは少し和解ですが祖父世代です。そして彼自身は早稲田の先生で哲学者です。しかし、口調はタメ口に近く、敬愛の精神、慎みがありませんでした。つまり、これで哲学者なのと思った訳です。しかも退席して戻ってきました。そんなことが許されるのは、小学生まででしょう。中学生であれば、年齢者に謝罪もせずに席をたったのですから戻れる義理はありません。まして大学生に哲学を教えていると、尚更です。ところが、こういう事を書くと、それは個人の自由でしょうということになります。
しかし会社で通用しないことを、哲学者がやり、司会者の田原さんが帰ってきたと喜んで、視聴者から堀さんに戒めも言葉が入ると、堀さんもシュンとしてしまった訳です。誰一人として、そんなことを企業でしたら通用しない。しかも、それが哲学者のとる態度かと問題にしませんでした。
二人共ばつが悪かったのか、後半は歩み寄り、堀さんが「大学は極端な言い方をすれば文化系はいらない。理数系だけでいい」というと東さんは賛同していました。すると田原さんが、「いや哲学は必要だと思う」といいました。
しかし私は三人とも哲学がないと思った訳です。哲学は、東洋と西洋で異なると思っています。西洋との哲学は凌駕する哲学です。対し東洋の哲学は、如何に準じるかが基本になります。建築物を観てもわかりますが、西洋の建築物は誇る建築であり、東洋、取り分け、日本の建築物は自然に溶け込む建築物です。
昔は、総理に質問するのでも「敢えて、お叱りを受けるのを覚悟して、質問させていただきますが」と必ずつけたといいます。そして「最近の内閣支持率が下がっていますが、どのようにお考えか、宜しければお聞かせ下さい」と言ったとききました。しかし最近は「又、支持率がおちましたね。どうお考えですか」と友達目線です。
コロコロ変わる総理大臣。実は、そんな時期が過去に二回ありました。1935年から第二次近衛内閣、この時の背景は軍部がありました。次が戦後から第二次吉田内閣まで背景はGHQでした。現在は世論調査による内閣支持率です。デジタルとコンピュータで瞬時に人気結果が出ます。
それで、安倍、福田、麻生、鳩山さんと一子相伝内閣が潰れました。国民は○と×のカードしか出せません。でも○と×だけでは哲学は語れません。富士山に登るにも、須走口、御殿場口、冨士宮口、富士吉田口と四つもありますが、登りつめれば誰もが頂上にいきます。哲学とは真理の追及、科学的言えば実在の原理、宗教的に言えば神の道だと思っています。だから『一芸に秀でた者は万芸を制す』といいました。
朝生は270回もやっています。延べ3500人の出場者になります。途中退席した人は過去に落語家の桂三枝さんだけだと思います。そして、二人目が、売り出し中の哲学者でした。だから、非常に気になりました。