松本清張ドラマ「球形の荒野」②
戦後20年のオリンピックの時代では、何故、日本は戦争をしたのかという思いが男達に去来していました。それは今も尚くすぶり続けているテーマです。イギリスでは1兆円も注ぎ込んでイギリスはどうしてアメリカに追随してイラク戦争を始めたのか訳がわからない、既にやめたブレア政権に問題があったのではという国民運動が起きています。
しかし、日本も9千億円近く注ぎ込んでいます。2003年3月24日衆院予算委員会で「日本を攻撃したいという国は、アメリカとも戦わなければならないと覚悟しなければならないといってアメリカに最初に追随したのが小泉さんでしたが、日本ではイギリスのような運動がおきません。
イギリスは歴史的に戦争を総括するDNAがある訳ですが、日本にはそういう伝統はありません。1964年の東京オリンピック当時も、勿論ありませんでした。何故なら巣鴨プリズンから、もしかするとA級戦犯になるかもしれなかった人達がGHQの国策で戻ってきました。
例えば岸 信介首相、外相、商工相、商工次官、満州国実業部次長、自民党幹事長はA級戦犯容疑者として逮捕されるも特赦に近い形で政界に復帰して総理大臣を経験しています。これでは総括は出来ません。
当時をリアルタイムには知りませんが、野上一等書記官たち生命を狙われるほど、当時の日本軍下士官が野上たち終戦工作に敵愾心を抱いたんでしょうか?例えば終戦工作がもっと早く進んでいれば、東京大空襲も広島、長崎の原爆も墜ちなかった可能性の方が大きいわけですから――。