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梨園の世界

コッチの「プリンス」はどうなってるの?

市川染五郎(歌舞伎役者)

海老蔵事件の本筋とは違うが、事件をきっかけにしてこんな疑問を持った人は多いだろう。「同じ市川を名乗る歌舞伎界のプリンス、海老蔵染五郎ではどっちが格上なの?」

この2人を比べたくなる気持ちはわかる。多くの女優と浮名を流して女子アナと結婚した市川海老蔵に対して、かたや市川染五郎も、結婚前は隠し子騒動をはじめ、さまざまな職種の女性との関係が取りざたされていた。「モテモテ度なら間違いなく海老蔵が上。海老蔵は有名女優を片っ端からモノにしてきたけど、染五郎はOLやらクラブのママが多かった。高級ホテトル嬢って噂もあったぐらいで、この時ばかりは妹の松たか子がショックで寝込んだって話もありました。もっとも、酔っぱらって暴れたという話はあまり聞きませんね」(芸能ライター)

遊びの格では負けても、プリンスであることには変わりない。73年に九代目松本幸四郎の長男として生まれ、自分から「舞台に出たい」と言い出して稽古を始め、6歳で初舞台、何と8歳で「次期松本幸四郎」を確約された染五郎を襲名し、成人後も実力派若手として数々の賞を受賞している。「松竹もわざわざ4つ年下の海老蔵と同じ役をやらせたりして競わせているので、相当ライバル意識は高いんじゃないでしょうか」(同)

 結論から言えば、染五郎がどれだけ実力者であっても、海老蔵を超えて歌舞伎界の最高の成田屋名跡市川団十郎を継ぐことはほぼあり得ない。市川団十郎は歌舞伎界の「宗家」で最も伝統と重みのある名跡なんだとか。高麗屋松本幸四郎は名門ではあるが、団十郎家の弟子筋でしかなく、団十郎家に跡継ぎがいない場合にのみ、養子として迎えられる家系である。市川染五郎の名も四代目松本幸四郎が初めて使ったもので、成田屋名跡ではないのだ。つまり市川団十郎を継ぐのは海老蔵というのが既定路線なのだ。

 ちなみに、人気若手歌舞伎役者を名前だけで格付けすると、中村勘三郎を継ぐことになる勘太郎(12年にまず勘九郎を襲名)は、由緒正しい名跡であったが、今はその系譜は途切れている。中村獅童は一門最高の名跡時蔵でさえ、女形では“二線級”とされる。女形のスーパースター坂東玉三郎ももともとは部屋子出身。説明がゴチャゴチャしてきたが、名前の格では海老蔵のトップはやっぱり不動。これを追うのが、歴史の古い音羽屋の尾上菊五郎を継ぐことになる菊之助染五郎の家系はせいぜい3番手に過ぎないのだ。それでも染五郎は歌舞伎界の宝。ライバル海老蔵に負けじと、飲んだうえでの暴力沙汰など起こさないでほしいというのが歌舞伎関係者の願いであろう。

日刊ゲンダイ

私も「市川染五郎」と「市川海老蔵」という同じ市川でどちらがどうなっているのか疑問でした。これを読んで半分納得したような半分、疑問が増したような感じです。

憲法では職業選択の自由を謳っていて、平等権でも

すべて国民は、法の下(もと)に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

となっています。門地とは調べてみると家柄の事です。要するに家柄によって職業選択の自由がないは憲法違反という事にもなりますが、歌舞伎の世界ではそれが罷り通っているという事になります

これは落語の世界にもあるようで三遊亭圓生という名前を誰が継ぐのかで問題になったようです。今年、三遊亭円楽さんが亡くなりましたが、その師匠の三遊亭圓生の名前が空白で誰が後を継ぐのかという事で揉めました。

三遊亭圓生は格式があるのか何か分かりませんが、先代の直弟子三遊亭圓丈、先代門下の預かり弟子である三遊亭圓窓および先代の孫弟子三遊亭鳳楽の三人で争われているようです。伝統というのは実力主義でもないようですし、生まれた家が格下だと如何に名演者でも名乗れないようです。

調べてみると、1980年2月、国立劇場の楽屋廊下で花柳流家元・花柳寿輔にナイフで切りつけ、傷害と銃刀法違反で8ヵ月の実刑。控訴せず、服役しました。

 茶道も千利休が有名ですが、表千家裏千家に分かれ、華道では小原流池坊と言った具合に格式や伝統はあり、難しいのですが、やはり伝統を護るには社会人としての基本が求められるのではないでしょうか。

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