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「心を整える」を読んで①

心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣”を読みました。

Hasebe

サッカー選手である長谷部誠さんが書いた実践している勝利の法則の本。発売から1週間で売り上げ部数7万部を突破。100万部越えが確実と言われている話題の本です。

多くのハウツー(how to)本を読んでいる訳ではないので断言できませんが、アスリートの人がこのような本を書く事はあまりないのではないでしょうか。ビジネス界や学者先生が書いたものでなく新鮮だったのかなと思っています。

さて、内容ですが、長谷部選手がプロとして日々実践しているルールや自身のサッカー人生について書かれています。

長谷部さんは始めから目立つ選手だった訳ではなかったそうです。3歳の頃からずっとサッカーしていて憧れのサッカーの名門・藤枝東高校に入学。大学へ行くつもりでした。転機はそろそろ進路を決定しなければならない、という時期に訪れました。プロから勧誘。両親は思いとどまらせようとします。何も今プロに入る事はない。大学へいってからでも遅くはないではないか。確かに両親のいう事も一理ある。しかしプロになるのは夢だった。結局、長谷部さんは恩師やお祖父さんの後押しもあって両親を納得させプロの道を歩みます。

 次の転機が海外です。プロ6年目を迎えた時、段々とコンスタンスに試合に出られるようにもなり昔のように新鮮な気持ちを保つ事が出来ない。Jリーグは1993年の開幕以来発展を続け、国内の日本人選手は安定した収入がありますが、特に南米の選手達は収入のいいヨーロッパへ移籍したいが為に一つ一つの試合が命懸けです。そうして考えたのが海外移籍でした。悩んだ結果、ドイツのチームに移ります。

 外国と日本との違い。それは「待っていたら誰も声をかけてくれない」という事。自分からアクションを起こさなければならない。長谷部さんは自分から積極的に英語の話せる選手に声を掛けていく事にしました。それから彼らの中に馴染む為に長谷部さんがした事。それは”食事に誘われたら、絶対に断らない”という事でした。

 プライベートなのでドイツ人選手達はものすごい速度で会話をします。勿論、ついていけません。朝まで飲むなんていう事もあり翌日は2日酔いに悩まされますが、チームメイトと触れあう事で言葉で通じ合えない部分をカバーしました。一緒にいる事で気心がしれてくるという訳です。

 この件を読んで私は逆転の発想の著者の糸川英夫さんの事を思い出しました。糸川さんは鍾馗(しょうき)などの戦闘機を開発した人ですが、何が一番大事といって戦闘機乗りと親しくなる事でした。何故かというと戦闘機がいいかどうかは、戦闘機乗りの評価によって決まります。また、どこをどう改善したらいいかという事は戦闘機乗りの言葉が重要で、この言葉の意味を戦闘機乗りと朝まで飲んだり博打をやったり触れあう事で理解したという事を著書で書いていました。  

 一番感じた事は親の立場になると、高卒より大学にいってサッカーで食べられない事になっても大卒なら就職先があるという事でしょう。しかしプロの世界で成功するには高校卒業後、大学へ行かなかった事が功を奏したようです。

怪物と言われた江川さん。大学へ行かず高校卒業後、西武ライオンズ、当時のクラウンライターズに入っていれば200勝は確実で殿堂入りしていたと思われますし、王さんは記録の選手で長嶋さんが記憶の選手と言われていますが、大学へ進んだ長嶋さんと、すぐにプロ入りした王さんの差ではないでしょうか。

王さんは投手として採用されましたが、その後、打者に転向しました。これも4年という猶予があったからで大学を卒業していたら間に合わなかったかもしれません。又、世界のイチローや松井選手も本来は右バッターなのではないでしょうか。専門家ではないので分かりませんが、右投げですので。しかし左バッターの方が遙かに効率が良い。0.5秒、ファーストに行くのが早い、歩数にすると一歩半だと言います。小さいときからやっていれば変更が可能ですが、右ピッチャーが左ピッチャーになる事は生まれ付きですので到底できません。

結局、小さい時からやって早くプロの世界で競った事が効率的だったのではないかと素人ながらそう思いました。

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