メディアが危ない④
映像は嘘をつかないと信じている人が多いと思います。しかし映像は編集によって如何様にも視聴者をマインドコントロールする事が可能です。
……と書いても説得力がありませんが、下記をみれば一目瞭然です。
http://www.youtube.com/watch?v=lW51BsTjHnI&feature=youtube_gdata
シズル感という言葉があります。広告クリエーターたちが使い始めた言葉でテレビCMや広告写真に出てくる食品に生き生きとした実感があり、それを見るとすぐにでも食べたり飲んだりしたい気持ちにさせる状態をいうそうです。
テレビでは匂いと味を伝えられません。そこで湯気、フェイクの氷、吸水ポリマーと水を駆使して脳にその味を想像させる訳です。
http://www.youtube.com/watch?v=i6V_Rfth5io
放送禁止CM「菊正宗」
刑事コロンボの「意識の下の映像」という話を御存知でしょうか。あらすじは↓
経営コンサルタントのケプルは、顧客の弱みを作っては脅迫を重ねていた。だが被害者の一人が、ケプルの悪行を公表すると宣言する。追い詰められたケプルは、サブリミナル効果を利用して被害者を操り、妻との痴情のもつれから殺されたように見せかける。コロンボはケプルの仕業であるとにらみ、彼自身に証拠品を出させるように罠を仕掛ける……。
サブリミナル効果とは意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のことです。といっても良く分かりませんよね。Wikipediaにはこんな事例が書いてありました。
1957年9月から6週間にわたり、市場調査業者のジェームズ・ヴィカリ(James M. Vicary)は、ニュージャージー州フォートリーの映画館で映画「ピクニック」の上映中に"実験"を行なったとされている。ヴィカリによると、映画が映写されているスクリーンの上に、「コカコーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」というメッセージが書かれたスライドを1/3000秒ずつ5分ごとに繰り返し二重映写(フィルムのフレームを差し替えたと信じている人が多いが誤解である)したところ、コカコーラについては18.1%、ポップコーンについては57.5%の売上の増加がみられたとのことであった。
一種の映像トリックですね。犯人は、このサブリミナル効果を使って殺人をするのですが、詳しくは以前書いた記事を参照してください。(詳細⇒2008年6月10日 (火)意識の下の映像)
さて、映画・ドラマはフィクションですから当然現実では出来ない事やありえない事も出てきます。それがいきすぎると物語の矛盾、許容範囲ならフィクションの世界となる訳ですが、それも私に言わせると映像トリックです。
意識の下の映像:解説
http://www.youtube.com/watch?v=SfFa1oMWTY4
ED曲が最初に流れますが、0:50~から水野晴郎さんの解説が始まります。
・写真を映画フィルム用に縦にするには専門のラボに出さなければならない。それは時間が掛かる。
・“意識の下の映像”は一種の誘導尋問。裁判において証拠として取り上げられない。自白が認証されなくなってしまう。裁判で負けてしまう。