チャイナリスク
「チャイナリスク」、世界が意識=中国ボイコットに失望も-IMF総会〔深層探訪〕
時事通信 10月13日(土)12時19分配信
48年ぶりに日本で開催された国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会。各国の閣僚や中央銀行総裁が顔をそろえた中で、中国の閣僚級の姿はなかった。日本の尖閣諸島国有化への意趣返しであるのは明らかだ。世界2位の経済大国となり、大きな影響力を持つ中国の奔放な振る舞いは、「チャイナリスク」を世界に印象づけた。
◇ミャンマー支援への思惑
中国は総会2日目の10日になって突然、謝旭人財政相と周小川中国人民銀行(中央銀行)総裁の欠席を日本側に通知してきた。民間の大手銀行もボイコット。国家の意図をむき出しにした異常な対応だ。実務レベルの政府代表団は来日したが、総会に関連する会議には出たり、出なかったり。日本政府関係者は「大国として責任感が全くない行動」といら立ちを隠さず、主催者のIMFと世銀もお手上げ状態だった。
日本の肝煎りで11日に開いたミャンマー支援会合も中国は欠席。軍事政権下のミャンマーは国際社会から拒絶され、中国から多大な援助を受けていた。同会合を取り仕切った中尾武彦財務官は「ミャンマーと関係が深い中国の欠席は非常に残念」と顔を曇らせた。ミャンマーは、影響力が増大する一方の中国に脅威を感じ、ここ数年は日本などへも急接近していた。総会期間中、最大の成果とも言えるミャンマーの延滞債務解消策がまとまったのはチャイナリスクが底流にある。
日本車や日系スーパーが焼き打ちにあった反日デモの映像は内外に強烈な印象を残した。日本が来年の円借款再開を表明したミャンマーに足掛かりを再び築くのは「豊富な資源や格安の労働力をにらんでの行動」(民間エコノミスト)。中国からのシフトが強く意識されており、他国も同様に考えているようだ。
◇日本も努力を
IMFは9日、世界全体の実質GDP(国内総生産)伸び率予測を3.5%から3.3%に下方修正した。欧州危機の拡大に加え、エンジン役を果たしてきた中国やインドなど新興国の成長に急ブレーキがかかったことが要因だ。
総会参加者の多くは、閣僚に限らず幅広いレベルで中国と議論し、協調して世界経済回復の処方箋を探ろうと待ち構えていた。しかし、中国の露骨な消極姿勢は失望を招いた。ラガルドIMF専務理事は、中国にとってもマイナスだとして、「何か重要なものを取り逃がすかもしれない」と指摘した。日中関係の早期修復への期待から、日本も努力すべきだとの注文も相次いでいる。キム世銀総裁は日中の政治的緊張が世界経済に与える悪影響に懸念を示し、ラガルドIMF専務理事は日中関係を「世界経済全体にとって極めて重要だ」と指摘した。11月にはメキシコで20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催されるが、今のままではG20の結束はおぼつかない。
「チャイナリスク」で検索しました。Wikipediaにも載っているんですね。
チャイナリスクとは、中国(中華人民共和国)のかかえるカントリーリスクである。つまり、 中国国内で外国企業が経済活動を行う際もしくは中国人を雇い入れる際のリスク(不確実性)、特にダウンサイドリスクだけを取り出したもの。
リスクの内容
・偽ブランド品の商標登録問題
・知的財産権の保護、模倣品問題(カーゴ・カルト的)
・技術・ノウハウの流出 チャイナリスクを鑑みて中国撤退を考えていますが、その多くがスムーズに撤退できないので頭を悩ませています。4年前から、撤退の際には従業員に退職金に当たる経済補償金を支払わなければならなくなり、払えない場合は労働争議に発展してしまいます。地方政府は税金をとれる最後のチャンスだと考え帳簿の調査が終わるまで撤退を認めてくれず、長期化して負債だけが増えていくという訳です。
今日まで安い人員を求めて中国進出した企業は多くあります。今、困っているのは昨今の反日デモで相次ぐストライキや人件費の高騰などさまざまなリスクに直面し今、撤退を検討する企業は増える中、そうは簡単に撤退できない状態が続いています。雇用を確保したい中国政府がなかなか撤退を認めず、労働者からは多額の退職金を要求される。例えば、ある日系企業の社長は中国人労働者にホテルの一室にとじ込められて「金を払うまで日本に返さない」と脅されたそうです。