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読書週間 本との出会いを大切にしたい
(10月28日付・読売社説)
 27日から読書週間が始まった。今年の標語は「ホントノキズナ」だ。巡り合った本との絆を大切にしたい。秋の休日、書棚に手を伸ばし、かつての愛読書をひもといてみてはどうだろうか。
 全国出版協会が主催する今年の「文字・活字文化推進大賞」には、長年にわたり読書の町づくりに取り組んできた福島県大熊町教育委員会が選ばれた。この町では、小中学生が東京電力福島第一原発事故後に避難した会津若松市の仮校舎で、朝の10分間読書などを続けている。全国から届いた1万冊以上の書籍が活動の支えだ。子供たちにとって読書は心の糧となるにちがいない。
 小説「ナミヤ雑貨店の奇蹟(きせき)」で中央公論文芸賞を先日受賞した作家の東野圭吾さんは、高校時代に読書の楽しさを知ったという。それまでは大の読書嫌いで母親や先生を困らせたが、姉が持っていた松本清張推理小説を読み始めたところ、面白くてやめられなくなったそうだ。今や最も人気の高いミステリー作家の原点には、こんな本との出会いがある。一冊の本が人生に大きな影響を与えることがある。子供たちが読書に親しめる環境を整えたい。
 例えば、学校図書館の標準蔵書数を満たす小中学校は、まだ全体の約半数に過ぎない。本が古かったり、傾向が偏っていたりすることも少なくない。学校司書もまだまだ不足している。自治体は、子供たち一人ひとりがその個性に見合った本と巡り合えるよう魅力ある図書館作りを進めて行く必要があるだろう。本と出会う場は、多様化しつつある。東京都心に千代田区が開設した日比谷図書文化館は、「復興の歴史」など時々のテーマに応じて博物館さながらの展示を行い、関連する書籍を紹介している。
 都内のある大型書店では、店内にカフェを設け、本を自由に読める読書空間を提供している。作家や編集者らを招いてセミナーを毎晩のように開き、文化サロンの役割を果たす小さな書店もある。一方、電子書籍は一段と普及しそうだ。米国のインターネット通販大手が電子書籍端末を日本でも近く発売するなど、読書スタイルの選択肢も広がっている。読売新聞の世論調査では、3割の人が電子書籍の利用に積極的だった。電子書籍端末を買った人は、紙の本も買っている、という指摘もある。電子書籍を一つの刺激として受け止め、豊かな活字文化を築いていくべきだろう。

 米国のインターネット通販大手が電子書籍端末を日本でも近く発売とは、アマゾンのようです。楽天は既に売り出しています
 音楽を見る週間とか、絵を見る週間というのはありません。漫画もないですね。しかし本はある。本は努力、つまり読むぞという気構えがありますが、耳と目は努力をしません。音楽は耳、絵は目、しかし読書は目と頭です。確かに漫画も頭を使いますが、絵で随分表現できますからね。
  明治の文豪、夏目漱石森鴎外歌人、与謝野晃子の頃は文筆家がスターの時代でした。何しろ、テレビは勿論ラジオもない。読むことが娯楽でした。ひょっこりひょうたん島井上ひさしさんは難しい事を優しく優しい事を深く深い事を愉快に、愉快な事を真面目に書くことをモットーしたそうですが、明治の文豪時代は書けばヒットの時代でしたから思うように書いたのではないでしょうか。
 ですが、司馬さんや清張さんの時代になると書き手も増えて出版技術も上がって競争社会になり、清張さんは面白くなければいけないがモットーだったと思います。つまりエンターテイメントっていう奴ですね。それまでの小説が、探偵、刑事という職業からの推理を、近所にいそうな普通の人を主人公にしたことが画期的でした。
  今回も逃しましたが、村上春樹さんをかなりの作家が意識していているそうです。
「僕が15だったら確実に君に恋をしていただろうね。でも僕はもう34だから、そんなに簡単に恋はしない。これ以上不幸になりたくない」
「彼女に会わないことには、人生がこれ以上一歩も前に進まない」
「僕は自分の中に進化の高ぶりを感じた。僕はその複雑に絡み合った巨大な自分自身のDNAを越えたんだ」
「僕たちは一年ごと、一月ごと、一日ごとに齢を取っていく。時々僕は自分が一時間ごとに齢を取っていくような気さえする」
「孤独が好きな人間なんていないさ、無理に友達を作らないだけだよ」
 
  大江健三郎さんの小説に挑戦するのですが、ダメですね。最後まで読めませんね。私は時間の経過が小説にないと息苦しくなるんですね。
「僕が15だったら確実に君に恋をしていただろうね。だけど、僕はその倍も生きて34だよ。15の頃の僕は違っていたはずだけど思い出せなくなっているよ」
「彼女に会えない事は、明日が創造できない。過去ばかり探すことになる」
「僕はふと、自分の成長を感じたときがある。今まで、そんなこと感じたことがなかったけど、これも僕のDNAのなにかなのかな」
「僕たちは一年ごと、一月ごと、いや一日ごとに齢を取っていく。つまりね、一時間生きるということは一時間死に近づいたということなんだよ」っていう感じですかね。でも村上ファンに言わせると理屈っぽいといわれそうだから今日はこのへんで。

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