世界の工場
中国、10年以内に世界の工場としての地位を失う=分析リポート
毎日中国経済 11月30日(金)6時10分配信
北京時間の11月28日午後、マーケットウォッチは大和証券キャピタル・マーケッツ(大和証券CM)の研究報告として、東南アジア諸国の急速な発展に伴い、今後5~10年以内に中国は「世界の工場」としての地位を失うだろうと伝えた。
28日公表された報告では、孫明春エコノミストが指摘した「フライングギース(雁行形態)パラダイム」が特に注目された。フライングギースパラダイムは、ローエンド製造業が発達した国から未発達国家へ移転していくと指摘する。先を切って工業化を実現した日本は、成熟した産業をアジアの韓国や台湾、香港、シンガポールに移転させ、移転先から再び成熟した産業を東南アジアのタイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアに移す。
近年、中国の人件費が大幅に上昇する一方、東南アジア諸国連合(アセアン)の労働コストは低いままだ。例えば2000年、ナイキのスポーツシューズの世界販売量の40%は中国製、13%はベトナム製だったが、今では41%、32%という比率となった。
過去10年間、アパレル製造などベトナムの労働集約型産業の輸出伸び率が中国を上回るケースは多くみられ、過去2年でタイの労働集約型産業の輸出伸び率も中国を追い越すようになった。
孫エコノミストは「人件費の低下と人口構造のメリット、経済自由化政策に支えられ、アセアンは中国に代わってローエンド製造業の新たな世界工場になっている」と説明した。
中国にGDP第二位を抜かれたとはいえ一人あたりでは日本はまだ第二位です。しかし、それも日本は中国に抜かれるという人がいます。三橋貴明さん曰く、
2011年の日本の対中輸出はGDPの2.76% 対中輸入は3.13%
対香港輸出が 3.49% 輸入が3.16% 貿易黒字が0.33%
即ち、中国と香港の貿易が断絶するとGDPは0.33%のマイナスとなります。
又、日本は輸出立国というイメージが強いのですが、
輸出依存度 日本14% 中国は26%
と、中国の方が高いです。ちなみに中国や韓国は安い製品を世界に輸出していますが、基本的に組みたて貿易なので、その基幹部品やパーツは日本のものである事が多く、日本に依存しているのは寧ろ中国の方という事になります。
今まで人件費の安さと人民元のアンフェアなレートで伸してきた中国。2010年9月の尖閣諸島衝突事件で中国は対抗装置としてレアアースの対日輸出を差し止めました。しかし日本はレアアースの輸入先を変更する事で対応した。更にレアアースを必要としない構造もどんどん構築しつつあります。(詳細は2012年11月25日 (日)中国レアアース)