ドイツの移民排斥デモは人種差別なのか
刺された女性候補が当選、独ケルン市長選
AFP=時事 10月19日(月)7時37分配信
【AFP=時事】ドイツ西部ケルン(Colongne)の市長選は18日、投開票が行われ、選挙運動中に男に襲われ首を刺された難民受け入れ支持派の政治家、ヘンリエッテ・レーカー(Henriette Reker)氏(58)が当選を果たした。投票日の前日に起きた襲撃事件は、同国に衝撃を与えていた。
事件で重傷を負った同氏は搬送先の病院で治療を受けており、容体は快方に向かっている。最終開票結果によると、レーカー氏は52.6%の票を獲得し、同市初の女性市長となった。
アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の与党、キリスト教民主同盟(Christian Union alliance、CDU)と密接な関係を持っていたものの、無所属で立候補していたレーカー氏は、同国で記録的な数の難民流入に対し高まる反感によって被害を受けた最も高名な人物となった。
襲撃事件以前は全国レベルの知名度がほぼ皆無だったレーカー氏は、98万人が住むドイツ第4の都市で同国では少数派のイスラム教徒も多数が暮らすケルン市の難民関連業務責任者を5年間にわたり務めていた。
ケルン警察によると、現場で逮捕された襲撃犯は44歳の無職の男で、「人種差別的で政治的」な動機からレーカー氏を襲ったとされる。
ドイツでは移民排斥デモの動きが強まっており、一週間前のドレスデンで起きたデモではメルケルの「絞首台」を持ち出して行進していた。流石にそこまではやりすぎの感があるが、この記事にも「人種差別的で政治的」な動機と書かれていたように移民反対を叫ぶことがドイツでは人種差別に当たるらしい。
「日本国の中で日本人が同族と安定した平和な暮らしを継続していきたい」と思うことが外国人に対する人種差別だとしたらそれはもう日本人を差別した考え方だ。日本人が外国人に意見を言うのも人種差別になってしまう。例えば日本人がドイツへ旅行にいった時ドイツのルールやマナーを守らなければドイツ人からは当然拒絶される。しかしドイツ国内のルールやマナーを外国人に押しつけるのは差別主義だという人はいないだろう。
日本国には日本国の主権があり日本人の主権がある。移民を拒否する権利も受け入れる権利も日本人にあるのだ。しかし、ドイツにはユダヤ人を虐殺し他民族を根絶やしにしようとした暗い歴史がある。所謂ナチスのホロコーストだが日本と同じ未だに敗戦の呪縛から逃れられていない。だからドイツは戦後「多文化共生」が国是となり移民だろうがなんだろうが何でも受け入れる国へと変わってしまい。それに反対する者はナチスと同じ「差別主義者」というレッテルを貼られるから人々は移民反対を声高に主張出来なかった。
しかし今年に入り100万人を越える数の移民がドイツに流れ込むと言われドイツ国民の生活に打撃を与えている。経済の面でいえば賃金の安い移民に雇用を奪われ、居住地も移民に宛がう為に追い出され、大量の移民によって犯罪率も増加する。更にこれから数百万単位で移民がやってくれば最早受け入れることは不可能であり、ドイツ国民の生活は崩壊していく。そう実感しているドイツ人が増えてきているためデモも激化しているのだろう。
EUの惨状、ドイツの有り様を見れば容易に移民を受け入れるなどとは口に出来ない筈である。感情論で移民を受け入れ後になってやっぱり帰ってくれといっても遅いのだ。受け入れる側も受け入れた側もどちらも幸せにはなれない。儲かるのは安い労働力を得た大企業だけである。