軽減税率 低所得者対策にあらず
菅義偉官房長官は14日の記者会見で、平成29年4月1日の消費税10%時に導入する『軽減税率』について、「低所得者対策のために軽減税率を導入すると選挙で公約し(自民、公明、政権としても)言ってきた。低所得者対策にしっかりなると思っている」と導入の意義をアピールした。
また与党協議で軽減税率の対象が「生鮮食品」と「アルコールを除く加工食品」で合意に至ったことについて「与党両党の幹事長が連日議論し、低所得者対策として国民の理解を得るためのあるべき姿、安定的財源をどうするかなどの観点から論議を重ね、自公両党が責任を持って対応するという『最良の案』で合意されたと思っている」と最良の案に落ち着いたとの受け止めを語った。
生鮮食品と加工食品が現状維持の8%になったところで低所得者の負担は殆ど変わらない。年収一千万以上の人からすればたかが2%の増税でウダウダいうなという事なのだろうが、年収200万や100万以下の人達にとっては消費税がどれだけ負担になるかまるで分かっていないのだ。それを堂々と「低所得者の皆さんご安心下さい。低所得者対策の為10%になるところを既存の8%に据え起きました」といっているのだから国民を馬鹿にしているとしか思えない。低所得者対策というならば最低でも5%、或いは0%にするべきであるし、そもそも一律に下げてるのではなく低所得者限定で負担を軽減しなくてはおかしい。
どうせ何年かすれば財政危機だ~とかプライマリーバランスの黒字化だ~といって15%、次は20%と増税していくのだろう。財政を健全化したいのなら国の歳出を減らすのではなく国の歳入を増やさなくてはいけない。しかし歳入を増やすといっても増税をして税収を増やそうとしてはダメだ。デフレ期はたばこ税でもそうだが消費税を上げても消費自体が減ってしまって本末転倒、だから政府が企業や家計にお金を使わせるために自らお金を使って需要(仕事)を生み出しお金を循環させなくてはならない。しかし政府は緊縮財政でお金を使わず、企業は内部留保が増えても投資しない。家計は増税の影響もあり更に財布の紐を堅くして預金に回しお金は全く回っていない。
税収は国民総所得であるGDPから取られる。GDPは国や民間企業や消費者がお金を使わない限り増えず、上記の通りその全てがお金を使わない方向にいっている。それは勿論政府が緊縮し増税をしているからである。増税も軽減税率も的はずれな政策、軽減税率だけをするなら話は分かるが20年も続けられてきた無駄な増税議論をするより、財務省の言いなりにならず政府が財政出動する正しい政策を話しあうべきだ。