「熱い戦争」「第三次世界大戦」混沌に陥る世界情勢
<ゴルバチョフ氏>米露の「熱い戦争」が現実に、憂慮
◇「東西冷戦期の最も悪い時代を想起させる」
ウクライナ危機やシリア問題で対立する米露関係について「東西冷戦期の最も悪い時代を想起させる」と指摘、「『熱い戦争』が現実に起きる危険性もある」と懸念を表明した。
ゴルバチョフ氏は、パリなど欧州でテロが繰り返され、中東などから難民が押し寄せる現状について「非常に危機感を持っている」と述べた。国際社会がテロ対策に有効策を打ち出していないことに関しては「主要国間で対立が深まり、国際政治における信頼が崩れているため」と批判。信頼関係回復に向け、国連安保理での首脳・閣僚級会合の定期開催のほか、国連を中心とした「反テロ協定」締結の必要性を訴えた。
反テロ協定には、各国の軍や情報機関の協力に加え、「武装組織に武器を渡してはならない」との条項を盛り込むべきだと主張した。シリアやリビアで欧米諸国が反体制派武装勢力を支援し、内戦に発展したことを踏まえた発言だ。ソ連軍によるアフガニスタン侵攻(1979~89年)で、米国の支援を受けてソ連軍を撃退した中東出身者がその後、国際テロ組織アルカイダなどのメンバーになったことも念頭に置いている。
フランスのパリテロを受け第三次世界大戦が始まったと誠しやかに囁かれているが、一方でシリアにおけるロシアとアメリカ、この二国間の対立が深刻化している。アメリカは現在、覇権国家としての力が衰退しロシアとの戦争は論外、IS(自称イスラム国)壊滅に向けての地上部隊派遣も出来ない状況、また東シナ海では中国の軍事施設埋め立てに対し軍艦を派遣し睨みを利かせていて二進も三進もいかなくなっている。嘗ての力を維持していればこのロシア、IS、中国の三極を相手にしても問題はなかったが、今や二極を抑え込むので精一杯、寧ろアメリカの力が弱まってきたからこそ、このような力による現状変更を試みようとする勢力が一気に台頭してきたといえるか。
しかしアメリカといえど東シナ海の保護、シリアへの介入はやめることが出来ない。アメリカも日本と同じく東シナ海のシーレーンを使っているのと同時に石油を売るための大事なルートであるから失うわけにはいかない。その石油を押さえるにはシリアをアメリカの支配下におかなくてはいけないということである。ロシアとてそれは同じ事、アサド政権を支援し後ろから操りながら反対勢力を潰そうと画策している。ロシアにとってはISも敵、アメリカヨーロッパトルコの連合国も敵でロシアもアメリカとの戦争は望んでいないが、トルコがロシアの戦闘機を撃墜したときにロシアが強く抗議したように、何かが発端となって熱い戦争に発展する危険はある。
またテロについてはこれからも頻発すると見られていて日本も対岸の火事には出来ない。特に日本はテロ対策が疎かで国民の意識が低くサイバーセキュリティも脆弱である。来年、三重県の志摩市にて開催される主要国首脳会議もありテロリストにとっては世界を混乱に陥れる絶好のチャンスとなる。まさに世界は第三次世界大戦の様相でいつどこで何が起きても不思議ではないのだ。せめてテロ対策として自衛隊が大々的に活動出来るよう法整備を進めるべきである。だが自衛隊と聞いただけで拒絶反応を起こすマスコミや日本人が大勢いて、それが日本の安全保障のネックになっている。毎年恒例の今年の漢字に「安」が選ばれ、安保法制から取られたというが集団的自衛権の限定的行使容認ついて乱痴気騒ぎを起こしていた人達は世界が、日本が今どのような状況に置かれているのかを理解していないばかりか、それが戦争に繋がると壊れたレコードのように繰り返す。
安全や平和はただではないのだ。祈って平和になるなら苦労しない。戦争やテロを抑止する力を持ってこそ今日まで続いてきた平和を次の世代へと繋ぐ事が出来る。それを怠ってきたツケが今回ってきているのである。