トランプ旋風の意味するもの
英語が苦手な人でもトランプと聞けば一回で覚える。何しろトランプと聞いた瞬間にあのポーカー、ババ抜きのトランプだなと、どなたさんもこなたさんも脳内で反射的に連想し、瞬間的にインプットされる。そしてトランプの髪型はどこかキングの髪型に通ずるところあり、日本ではこの男が大統領になったら大変だと連日騒いでいる。
何しろ、メキシコとアメリカの国境に壁を作れ、その金をメキシコに払わせろ。イスラム教徒は閉め出せ、日米安保なんぞ止めてしまえと実に分かりやすい事この上ない。分かりやす過ぎて怖くなるという訳、一応インテリゲンチャーのマスメディアは批判的だがトランプ旋風は猛威を振るっている。
さて、孔子曰く巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)という言葉が古代中国の教えにある。「口先が巧みで角のない表情をする者に誠実な人間は殆どない」という意味である。これは案外的を射ている。
例えば鳩ぽっぽ首相やあっけら菅さんは決して日の丸は見ない。君が代は歌わないが信条だが、二人を悪い人だという人はいなかった。それで鳩ぽっぽや菅直人が総理になれば良くなるのかと思ったらとんでもない。
東洋思想によれば天に神あり地に神あり。悪政が続くと天神地祗(てんしんぢぎ)が起こり天災は問題の為政者ではなく天災は国土に及び罪なき人々を苦しめるとある。 その通り、戦後初の社会党総理の村山首相のときに阪神淡路大震災が、日本一の社会主義の男、菅直人のときに東日本大震災、日本にいる地底の大魔神は社会主義がお嫌いなようだ。
古来、中国の帝王は天変地異や飢饉などの災厄が重なるといって自ら反省した。天変地異と政治の因果関係は立証できないが明らかに相関関係はある。アベノミクスとは円安政策、さすれば原油高騰でこれが命取りになるが、奇蹟的に原油の歴史的安値、こうした事態は人知を越える。しかし何事も『天の時、地の利、人の和』で世の中は動く。
話戻ってトランプ、口は悪いが心は優しいという事はありうる。思ったことを吟味しないで口に出すのは脳がないともいえるが裏表がないともいえる。民主党なんて自民は公約を破っていると叩きながら、自身はマニフェストにない消費税値上げと目論だ。気の弱い偽善家で良い人を演じる者より、気が強く偽悪家で悪い人だと言われている方が前者よりいいかもと思っているのだ。