頭の話①

  あの人は頭がいいというと勉強ができたことを意味する。だが具体的にいえば勉強ができというよりテストが出来た。それではテストとクイズは何が違うか、例えば本当のテストは自分の考えを述べる力、作文力、応用力、リーダーの資質、実は社会や企業が求めているのはそうした能力であって、最近、売上が落ちてきてどうしたらいいかという社長の質問に、まさか三択でお願いしますとはいえない。それに社長だって答えは分かっていないから三択の問題が作れない。というわけで社会の正しいとする答えは時と共にも変わる。

 

　バブル経済はどうしておきたか、それは１９８５年のプラザ合意であった。英米仏独からＮＹプラザホテルに呼び出されると

「のう日本、アメリカのレーガンもうちらも日本製品の輸出攻勢に弱っとるけん。日本は円高にせいや、……弾はまだ一発残っとるがよ」とまではいわなかったが嘗ての三国同盟ならぬ、四国同盟に

「ははあ、分かりました。直ちに円高にしますさかい。許してくんさい。宜しゅうお頼み申し上げます」といって円高にした。それで１ドル２５０円が1年で１４０円にもなった。するとバブル経済になって円高、株高、債券高のトリプル高に土地も高騰してしまった。何しろ日本列島を一つ売ると日本の23倍の国土のアメリカが二つ買える程になった。

　いってみれば日本の一畳を売るとアメリカの六畳間が8部屋４６畳が買える計算。ところがバブル崩壊で失われた日本経済の四半世紀（二五年）は円高で泣いた。つまり経済現象までもが画一的ではないのである。

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