列島融解
濱 嘉之さん著の「列島融解」を読みました。
あらすじ
「警視庁情報官」シリーズの著者が贈る、迫真のインテリジェンス小説。電力会社出身の小川、経産省出身の藤原。若き政治家二人が、3.11後、エネルギー問題で激震が奔る列島を駆けめぐる。警視庁公安部出身だからこそ描ける圧倒的なリアリティ。「いまそこにある危機」に、どう立ち向かう!?
東電出身の政治家、小川が主人公です。著者の濱さんは 中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁巡査。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、生活安全部少年事件課係長を経て、2004年警視庁警視で退官。2007年に「警視庁情報官」で作家としてデビューした人なのでノンフィクションに近い小説だと感じました。
日本の電力使用量はアメリカ3.8 中国3.0についで第3位。日本を1とするとドイツ0.5、フランス0.4、イギリス0.25。実は町工場が一番電気を使うので、計画停電というのは大打撃を受けた。しかし結局、原発の問題をすり替える為の詭弁に過ぎなかったと書いてありましたが、そうなんですよね、あれだけ騒いだのに2012年の夏には計画停電のけの字も出てきませんでした。エネルギー政策は経済政策、電力使用量は経済に直結する。
震災直後の討論会でエネルギー問題に関して日本はもっと貧しい国になったほうがいい女性ジャーナリストがいたそうですが、そういう事を踏まえた上で発言しているのか。如何に震災後のエネルギー政策が行き当たりばったりだったかが分かります。