大阪ダブル選挙
大阪ダブル選 「都構想」への関門はなお多い(11月28日付・読売社説)
地域政党・大阪維新の会の代表を務める前大阪府知事の橋下徹氏が、くら替え出馬した大阪市長選で勝利した。府知事選でも、橋下氏から後継指名を受けた大阪維新の会幹事長の松井一郎氏が当選を決めた。知事を任期途中で辞職し、ダブル選を仕掛けた橋下氏の戦略が成功したことになる。
争点となった「大阪都構想」は府と大阪、堺両市を再編し、広域行政を担う「都」に移行する制度改革だ。両市域については、住民サービスを受け持つ10~12の特別自治区に分割し、東京都のように区長公選制を導入するという。
橋下氏は、二重行政の無駄をなくして財源を生み出し、産業政策やインフラ整備を一元化して成長戦略を推し進めると訴えた。松井氏も構想の実現を唱えた。
民主、自民両党府連などの支援を受けた候補は、ともに都構想への明確な対案を示すことができず、支持を広げられなかった。大阪再生のためには、強い指導力と大胆な制度改革が必要だ、と有権者が判断したのだろう。橋下氏が言うように「大阪府と大阪市の100年戦争」に終止符が打たれれば府民にもプラスとなる。
ダブル選では橋下氏の強引な政治手法も争点の一つとなった。
橋下氏は自らに反対する相手や「官」を抵抗勢力とし、あつれきを起こして支持を得てきた。相手候補が「独裁的」と攻撃したのは、もっともな面もある。橋下氏は批判票を謙虚に受け止めるべきだ。大阪では今後、都構想の実現に向けた動きが加速する。具体的な区割りや税財源などの案を明らかにし、そのメリットを有権者に十分説明する必要がある。
ダブル選は都構想への関門の一つに過ぎない。地方議会の承認、住民投票、地方自治法改正など、様々なハードルが予想される。
とりわけ難しいのは、都制度移行手続きのための法整備だろう。統治機構や自治のあり方の大きな見直しにつながるからだ。
民主党の前原政調会長が都構想について「府県の権限を強化するもので、党の考えからすると逆」と述べるなど、与野党には反対論が少なくない。
大阪が抱える問題は深刻だ。経済の低迷や生活保護受給者増など、組織改革だけでは解決できない課題も多い。公約した公務員制度改革の真価も問われる。
府と市に基盤を築いた橋下氏がどう動くか。「体制維新」の具体的な成果を出してもらいたい。
(2011年11月28日01時18分 読売新聞)
いつも思うのですが、新聞記事を読んでもよく分かりませんね。一番わからないのは、大阪市長から大阪府知事になるというのなら分かりますが、その反対ですからね。
実は、ここにこそ問題がありました。権限が小さいはずの大阪市の方が実際は大阪府を凌駕していたようです。これにキレたのが橋下さんで大阪府知事より大阪市長の方が権力があるのであれば、鞍替えしてやる。つまり自分の後釜は自分の意見を良く聴く男にして、実質大阪府知事体制はキープするということです。
次に分かりづらいのが、大阪都構想です。東京も嘗て東京市という制度の時代があって混乱したので東京市を潰して東京都とした時があって、そこからの引用なのでしょうが、大分前で経過を知っている人は少ないと思います。だから分かりづらいんですね。“新大阪構想”の方が良かったのではと勝手に思っています。
さて、どうしてこんなに大阪はガタガタになったのか。それは横山ノックとかいう人の時代に問題があります。選挙期間中にウグイス嬢に破廉恥な行為をして、しかも惚けるだけ惚けて、それが遂にバレました。その反動で太田という女性キャリア官僚が府知事に。しかし何もしなかった。それでも退職金は億貰いました。ガタガタになった大阪府に出てきたのが橋下弁護士でした。
熱いのがいいのでしょうね。人を動かすのは問答無用に熱です。それで与党民主党応援の候補者よりも大阪府民は橋下さんを選びました。私は大阪人でないので、肌で大阪の事はわかりませんが、そんな印象です。